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ユーモアに富んだ岡田監督の優勝インタビューはファンを喜ばせた
ユーモアに富んだ岡田監督の優勝インタビューはファンを喜ばせた

【緊急連載3】幻に終わった9年前の岡田監督誕生劇と阪急阪神HD角和夫CEOとの“グ―タッチ”…巨人の原監督は「阪神って不思議な球団ですね」と言った

 翌年3位に終わった和田監督が退任すると岡田監督ではなく1年越しにラブコールを送っていた金本監督が誕生した。だが、その金本監督も2年目の2位が最高位で3年目に最下位に沈み、電撃解任される。実は、2005年に経営統合して以来、タイガースの運営に関しては「関与しない」の不文律を守ってきた阪急グループが、婉曲に関与し始めたのが、この時だった。
 
 2006年に阪神電鉄が村上ファンドによる買収危機に陥った際に阪急電鉄がホワイトナイトとなり経営統合、阪急阪神ホールディングス(HD)となった。
 この時、NPBは、親会社の変更とみなし新規加入に必要な保証金などの約30億円を要求した。阪急がオリックスに球団売却した過去も影響していた。阪神は「阪急は阪神の球団運営には関与しない」との覚書を提出し11球団を説得し、手数料1億円の支払いだけで乗り越えた。この関与しない期間は「10年」と定められていたとの説もあり、その後、阪急グループとの本当の意味での統合が徐々に進んだ。
 阪急阪神HDの取締役から阪神電鉄の人間が徐々に減り始め、当初は阪神のオーナー、球団社長も加わっていたのだが、やがて外されるようになり、2020年には、ついに藤原崇起オーナーまで取締役から外されることになるのだが、最終的に阪急の合意を得なければ監督人事などの事業の方向性にかかわるような重要事案を決定できなくなった。それでも阪急サイドが、直接、球団運営にかかわってくることはなかったのだが、最下位に終わりながらも、残り2年の契約が残っていた金本監督の続投を決めていた球団方針に“圧”をかけた。
 金本監督が、試合後のホテルでファンとトラブルを起こした動画が拡散されており、その行動が問題視されていた。
 現場では、すでに来季の組閣まで固めて通達まで済ませていたが、藤原オーナーと、揚塩健治球団社長が阪急サイドの意向を“忖度”して電撃解任。何も知らされていなかった現場のフロントレベルは大混乱となった。
 次期監督には2軍監督だった矢野燿大氏が昇格した。2軍監督だった“ミスタータイガース”掛布雅之氏を2年で退任させ、1軍コーチの矢野氏を2軍監督にしていたのも、次期監督を見据えてのものだった。「育成」をキーワードに指導者の世代交代を進めていた球団は、岡田監督の再登板という“後戻り”をすることを考えず、金本解任に圧をかけた阪急グループは次期監督の人選にまで関与しなかった。
 矢野政権は、3位、2位、2位と成績を残したが、新型コロナの感染が広がったシーズン中に矢野監督が禁止されていた大人数での会食を行っていたことが判明し、球団の管理責任が問題視された。特に捕手を3人同席させたことに阪急サイドは「何かあれば試合ができなくなることもわからないのか」と指揮官の資質にダメ出しをした。
 昨年は矢野監督がキャンプイン前日に前代未聞の今季限りの退任を表明。それを黙認し阪急サイドへの報告も怠っていた球団への不信感が募った。優勝からも18年も遠ざかり、ある種の危機感が阪急阪神HDの“総師”角和夫会長兼CEOを中心とした阪急サイド内で広がったとされる。

 

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