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  • なぜ村田諒太は那須川天心に苦言を呈したのか…引退記念パーティーで説明した意図「自分の特長をつかんで伸ばせば世界は取れる」
後援会の引退記念パーティーに出席した村田諒太氏が後輩の那須川天心に苦言を呈した理由を説明した
後援会の引退記念パーティーに出席した村田諒太氏が後輩の那須川天心に苦言を呈した理由を説明した

なぜ村田諒太は那須川天心に苦言を呈したのか…引退記念パーティーで説明した意図「自分の特長をつかんで伸ばせば世界は取れる」

「苦言ではない」とした村田氏は、その“愛のある辛口解説”の意図をこう説明した。
「あそこで僕までが、“凄い、凄い”と言ったらおかしくなりますよ。彼にとってマイナスになる。お客さんをあれだけ集めて、あれだけ大きいことを言って、大きなお金が動いて、注目を集めて、『あの結果でOKですよ』では逆におかしい。加えて、あのインタビューでしょ。『それはちょっと違うんじゃない?』と、僕があえて言うことが(アンチファンとの間の)緩衝材になるんですよ。あいつのためになると思って言ったんです。決してネガティブな発言ではないんです」
 実は、村田氏にも同じような経験があった。
 ロンドン五輪のミドル級金メダリストという肩書を持ってプロデビュー。デビュー戦では、現役のOPBF東洋太平洋ミドル級王者&日本スーパーウェルター級王者だった柴田明雄とノンタイトルの6回戦で対戦して2回TKO勝利。その後、3試合連続でKO勝利を続けたが、5戦目、6戦目は続けて判定勝利となりファンの期待を裏切った。
「僕はそのとき、『判定でもいいと思っていました』という発言をしてしまっていた。自分への言い訳なんです。だから実力が出せなかった。そういう自分の経験も踏まえて、彼に今大切にすべきことを伝えたかったんです」
 さらにこうも続けた。
「倒すボクシングがすべてではないんです。でも今は倒すというアピールをするべき時期。メイウェザーだって判定勝利が多かった。色々と言われた。それでも彼が認められ、あれだけのお金を稼いだのは、スーパーフェザーの王者時代にディエゴ・コラレス(米国)を倒して、ライト級では、フィリップ・ヌドゥ(南ア)を芸術的に倒して、スーパーライト級では、人気のあったアルツロ・ガッティ(カナダ)にTKO勝利で勝つなど、歴史を作った上での判定だったから。それを見せないうちから『倒すことがすべてではない』というのは、お門違いなんです」
 無敗の元5階級制覇王者で、キック時代の天心とも、RIZINのエキシビションマッチで対戦したことのあるフロイド・メイウェザー・ジュニア(米国)は、ウェルター、スーパーウェルター級時代には、判定勝利がほとんどを占め、サウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)戦や、“世紀の一戦”と評されたマニー・パッキャオ(フィリピン)戦も判定決着だった。それでも“世界で最も稼ぐボクサー”となった理由は、それまでにKOラッシュを見せてきた歴史にあるという。
――天心は、あなたの後継者として世界王者になる逸材ですか?
 そう聞かれた村田氏は「いけると思う」と即答した。

 

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