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ロッテが延長10回に3点差を逆転。最後は安田がサヨナラ二塁打を放つ(資料写真・黒田史夫)
ロッテが延長10回に3点差を逆転。最後は安田がサヨナラ二塁打を放つ(資料写真・黒田史夫)

「なぜ?」「オスナの回跨ぎは?」ロッテに衝撃3点差逆転サヨナラを許したソフトバンク藤本監督の延長10回の継投策は間違っていたのか…今季限り退任発表

 ブルペンにいたのは津森、大津、甲斐野、嘉弥真の4人。9回を無失点に抑えた守護神のオスナも15球しか投げておらず、回跨ぎの選択肢もあっただろう。
 ソフトバンク前身のダイエーOBで、パの野球に詳しく、この日の中継で解説を務めた評論家の池田親興氏は、「監督の采配に結果論でモノは言えない」とした上で、こんな見解を展開した。
「両チームともに9回までに勝ちパターンの投手を注ぎ込み、もう投手がいなくなっていた状況。短期決戦は、特別な試合なので、オスナに回跨ぎをさせるべきだったという意見が出てくるのもわかるが、シーズンで一度もやっていない回跨ぎを準備もなくさせることは考えづらい。3点差という状況が、津森という選択になったのかもしれない。4勝4敗22ホールドの成績でシーズンを支えてくれた津森は、ロッテに相性が悪く、しかも夏場から調子を落としていた。1、2点差ならば大津から先にいっていたのかもしれない。津森をもしもの場合に温存しておき、まずは大津から起用し嘉弥真、甲斐野と注ぎ込んで3点差を逃げ切る継投策もあったとは思う」
 ルーキーながら防御率2.43の数字を残した大津の起用が池田氏の意見だ。 
 そして池田氏が問題視したのは、代打の角中への配球だだった。延長10回の起用に伏線があったという。
「すべては先頭の代打の角中の粘りから始まった。最後まで切り札を手元に残していた吉井監督の読み勝ち。しかも津森―嶺井のバッテリーは全球ストレート勝負をしていた。考えられないリード。また藤岡には本塁打だけは避けねばならない状況で長打警戒コースへ投げなかった。藤本監督は延長10回に代打攻勢をかけて成功したが、無失点リードをしてきた甲斐まで代えてしまったことが誤算だったと思う」
 藤本監督は、延長10回一死二塁で、甲斐に代打の生海を送り、10回裏は今季横浜DeNAからFAで移籍してきた嶺井がマスクをかぶっていた。
 嶺井と津森のコンビは、実はいわくつきで 9月20日の楽天戦では、津森が炎上し、イニング途中に「(嶺井は)津森をあまり受けていない」との理由で捕手を嶺井から甲斐に交代させたことがあった。その嶺井をこの大事な場面で津森と組ませ、しかも、バットを短く持って対応していた角中に、まさかの全球ストレート勝負で、10球粘られたあげく、センター前ヒットを許したのである。
 池田氏は、大津への交代時期も一人見誤ったという意見を持つ。
野に内野安打を許して無死一、二塁で藤岡を迎えたところで大津にスイッチしてもよかったのかもしれない。津森のボールに力はなかったし、通常の精神状態で投げられていませんでしたから。そのあたりの見極めも甘かった」
 大津は同点3ランを浴びてから投入され、二死をとったが流れを止めることができなかった。

 

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