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“ポスト岡田”の大本命であるOBの鳥谷敬氏だが来季の組閣入りは見送りとなりそうだ(写真・黒田史夫)
“ポスト岡田”の大本命であるOBの鳥谷敬氏だが来季の組閣入りは見送りとなりそうだ(写真・黒田史夫)

鳥谷氏、赤星氏、岩田氏らの来季入閣は見送りへ…岡田阪神は主要コーチ全員留任の結束重視で球団初の連覇を狙う

 来季の岡田阪神のコーチ人事は主要ポジションは全員留任となり“ポスト岡田”の大本命であるOB鳥谷敬氏(42)の入閣は見送られる方向であることが5日までに明らかになった。また鳥谷氏と同じく今春キャンプで臨時コーチを務めた“レッドスター”赤星憲広氏(47)、打診していた元60勝投手の岩田稔氏(40)の入閣も見送られ、18年ぶりの“アレ”に続き、38年ぶりの“アレのアレ”を果たした現有スタッフの結束で、来季球団初となるリーグ連覇、日本一を目指すことになりそうだ。

 「あの2人はええよ」

 

水面下で球団フロントと岡田監督は来季の組閣についての原案を協議してきた。すでに球団OBで今季は女子チーム「阪神タイガースWomen」の監督を務めたOBの上本博紀氏(37)のコーチ就任が10月25日に発表され、その上本氏の担当部署も含めた微調整は残っているが、基本的には、今季の主要ポジションのコーチを、そのまま留任させる方針が固まった。
 現役時代に岡田監督と共に1985年に日本一となったメンバーでもあり、2005年の前回優勝時もヘッドコーチを務めるなど、岡田監督の“考え”を最も知る“気配りの人”平田ヘッドは、ベンチでは常に岡田監督の隣に座り、他のコーチ陣や選手との“パイプ役”を務めた。
 1軍投手コーチ初体験となった45歳の安藤優也、42歳の久保田智之の若い2人は、ローテ―や選手起用、休養の取らせ方などについて、岡田監督に具申。最終決断は岡田監督がしたが「あの2人はええよ。安藤はしっかりとした自分の意見を言ってくる。“それちゃうやろ”もたくさんあったけどな」と認めるほどの仕事を果たした。
 バッテリーコーチの嶋田宗彦も1985年のVメンバーで2005年にもバッテリーコーチを任せた岡田監督の旧知の人。若い投手コーチ2人をフォローし、シーズン前半には、ベンチから配球の指示を出すなどして、防御率リーグトップの2.66を達成したバッテリー部門を支えた。
 打撃部門を任せた水口栄二、今岡真訪の2人も、リーグナンバーワンの四球数494をマークした、粘り強い打線を作り上げた。水口は、早大出身で岡田監督のオリックス監督時代から、打撃部門を支え、阪神は初めてだったが、2005年V戦士の今岡とのコンビで、岡田監督の“考え”を見事に結果につなげた。今岡は午前中から甲子園に来て室内練習場で選手の打撃練習を指導してきた。「あいつは人の見ていないところで懸命にやっている」と岡田監督は評価していた。
 またコンバートするなどして岡田監督がメスを入れた守備の立て直しを支えた馬場敏史内野守備走塁コーチ、シーズン中に、何度かサインの見落としはあったものの、三塁コーチとして的確な判断をしてきた藤本敦士内野守備走塁コーチらも来季留任となった。
 岡田監督の“考え”を理解し、厳しい指揮官の要求に応えながら、チームに浸透させたコーチングスタッフの結束を生かして主要ポジションの顔ぶれは変えずに、来季のリーグ連覇、連続日本一につなげたいという意図が来季のコーチ人事に込められている。
 一方で“ポスト岡田”として、その動向が注目されていた鳥谷氏の入閣は見送られる方向となった。関西深夜の優勝特番に出演した岡田監督が、ゲストの鳥谷氏を目の前にアナウンサーから入閣について問われ、「本人次第でしょう」と意味深な発言をしてSNS上の虎党を騒がせた。
 だが、現時点で球団と岡田監督の意見の擦り合わせの中で具体的な話は進んでいない。

 

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