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なでしこジャパンの池田監督がバリ五輪代表メンバーに入れた浜野まいか
なでしこジャパンの池田監督がバリ五輪代表メンバーに入れた浜野まいか

パリ五輪に挑む「なでしこジャパン」池田監督がメンバーに入れた20歳の“秘密兵器”浜野まいかとはどんな選手だ?

 浜野はヤングなでしこが準優勝した2022年のFIFA・U-20女子W杯でスペインの優勝に貢献したFWガバーロを押しのけて大会MVPを獲得した。国際サッカー連盟(FIFA)は浜野を選出した理由をこう説明していた。
「スキル、パス、ゴールのカクテルは対戦相手を常に恐怖に陥れた」
 当時はWEリーグのINAC神戸レオネッサに所属していた浜野は、昨年1月にチェルシーへ移籍。武者修行のために期限付き移籍した、スウェーデンのハンマルビーでも順調にゴールを積み重ねていたなかで女子W杯を迎えた。
 しかし、左肩の怪我は想像以上に深刻で、手術を受けざるをえなくなった。リハビリに時間がかかると判断したハンマルビーから、期限付き移籍を解除された浜野は懸命に復帰を目指し、2023年12月にはチェルシーでデビュー果たしている。
 当時のインスタグラムに、浜野は万感の思いを英語と日本語で綴っている。
「ワールドカップで2度の脱臼をし、ロンドンで手術を受け、ここまで簡単な道のりではありませんでしたが(中略)夢の舞台に立つことができました。まだまだ始まったばかり!すべての人に感謝します。ありがとう!」
 最終的には2023-24シーズンのチェルシーで2ゴールをマーク。4月のアメリカ遠征でW杯以来となる代表復帰を果たした浜野は、NZとの連戦が組まれた6月3日の第2戦で1点を追う後半開始から途中出場。開始4分に通算10試合目で待望のなでしこジャパン初ゴールを決めると、15分には逆転ゴールを決めてチームを勝利に導いた。
 試合後に各メディアが伝えた、浜野のコメントが異彩を放っていた。
「自分で勝手に自分自身にプレッシャーをかけていました。ここで点を決められなかったら浜野まいかじゃない、という思いでピッチに入りました」
 周囲をなごませる笑顔とは対照的な、怪我から復帰する過程ではぐくまれてきたメンタルの強さ。5月に20歳になったばかりの浜野の現在地を池田監督も高く評価して、フォワード陣の最後の1枠としてメンバーに加えた。
「W杯では彼女本人も悔しい思いをした。その後にチェルシーで復帰した姿を追っていたなかで、彼女のよさである技術だけでなく、豊富な運動量と2列目からの飛び出し、アイディアの多さはこのチームの力になってくれる。ニュージーランド戦の2ゴールはありましたが、それがなかったらこういう状況ではないのか、といえばそこはまた違ってくる。このチームでパリ五輪を戦っていく上で、さらに成長した彼女のよさがチームの助けになってくれるんじゃないか。そういう判断です」
 18人の平均年齢は25.1歳。常連のメンバーたちがひとつ年齢を重ねた影響もあり、女子W杯の24.7歳を上回っているが、5ゴールで同大会の得点王を獲得したMF宮澤ひなた(24、マンチェスター・ユナイテッド)ら10人が初めて五輪に臨む。フレッシュな顔ぶれの輝きを古賀、谷川、そして浜野らが際立たせている。
 7月8日から国内合宿を開始するなでしこジャパンは、13日のガーナ女子代表との壮行試合(金沢)をへて14日に渡仏。25日にW杯女王のスペイン、28日に難敵ブラジル、そして31日にナイジェリアと対戦するグループリーグへの準備を進めていく。
(文責・藤江直人/スポーツライター)

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