
「自分で呼吸ができるようになった。数値は悪化していない」開頭手術を受け意識不明の重岡銀次朗の容態を兄の優大がSNSで報告…対戦した王者タドゥラン陣営も「早く元気に」とメッセージ
世界戦後から入院している元IBF世界ミニマム級王者の重岡銀次朗(25、ワタナベ)の兄で元WBC世界同級王者の優大(28、同)が29日、インスタグラムを更新して「自分で呼吸ができるようになった。数値は悪化していない」と報告した。重岡は24日に大阪でIBF世界ミニマム級王者のペドロ・タドゥラン(フィリピン)に挑戦したが、1-2で判定負けし、その判定が出た直後に意識不明となり大阪市内の病院で2度にわたる開頭手術を受けていた。また王者陣営も回復を祈るメッセージを伝えた。
「1週間が山場」
世界戦の判定結果が出た直後にリング上で意識不明の状況に陥り、大阪市内の病院に救急搬送され、「急性硬膜下血腫」の診断で2度にわたる開頭手術を受けた重岡銀次朗の“容態”を付き添っている兄の優大がインスタで伝えた。
優大は「皆さん、銀二朗がご心配おかけしてます」と切りだし、「入院から5日目。1週間がヤマ場だと言われています。最初は呼吸器がないとダメでしたが今は自分で呼吸も出来るようになり、その他の色々な数値も悪化はしていないみたいです。あと2、3日乗り越えてくれたら先生から次のステップの話を聞けるみたいです」と、回復の兆しを見えていることを報告した。
「急性硬膜下血腫」で、懸念されるのは、あらゆる体内の機能に影響を与える脳幹へのダメージ。ここがやられると、呼吸などの代謝機能が停滞するのだが、人工呼吸器無しで、自発的に呼吸が可能になったということは、その脳幹までダメージが及んでいないことを示す傾向。今後は、脳の腫れの回復が重要で、優大がつづったように手術後「1週間が山場」とされている。
まだ予断を許さない状態が続いてはいるが、優大の報告には、意識が戻る光明が見えたのかもしれない。
優大はさらに「きっと皆さんの応援や願いが銀に届いているのだと思います。必死に生きようとしてます。銀は今まで諦めた事1度もないです。あいつは強いので大丈夫です。俺も信じてます。皆さんが安心できるようにまた何かあれば報告させてもらいます。こっちは俺に任せてください。引き続き、祈っていてください。よろしくお願いします」と、回復を祈っているファンや関係者に呼びかけた。
優大と熊本から交代で大阪に駆けつけている両親が付き添っている。
重岡が所属するワタナベジムの渡辺均会長も29日、【重岡銀次朗選手に関するご報告】と題したリリースを発表した。
「現在入院加療中です。幸い、容態は小康状態にあり、経過を見守っております」と報告すると共に「全国各地より多くの温かい励ましのお言葉や、お見舞いを頂戴し、ジム関係者一同、心より御礼申し上げます。銀次朗選手も皆様のご声援を胸に、懸命に治療に専念しております」と感謝の言葉を伝えた。