
「宝クジが当たれば」リチャード同点3号3ランなどで5点差を逆転した巨人のポテンシャルと伊原のスペシャル救援起用が裏目に出た阪神の“余裕”という名の危険な隙
同評論家は、伊原の起用についてもこう続けた。
「登板間隔が空いていることや彼の適性を考えるとこの起用は間違いではなかったと思うが回跨ぎさせずに8回の1イニングで下ろすべきだったと思う。2イニング目はボールが来ていなかったように見えた。及川、石井が球宴に選ばれている事情があったのかもしれないし、ゲーム差を考えると無理をするところでもない。だが、勝つべき試合は勝つという姿勢だけは貫かねば、小さなヒビが大きな傷口になるのがペナントレースの怖さでもある。一方メンバー的には厳しい巨人は、チームが秘めるポテンシャルを示した試合だったと思う」
スポーツ各紙の報道によると、藤川監督は「10試合して1試合こういうゲームがあっても、他の7個、8個、9個、いいゲームができれば。それがペナントレース。常にベストは尽くすけれども結果はいつもどちらに転ぶか分からない」と、敗戦を総括。試合後にミーティングを開き、選手に「前半戦は本当に素晴らしい戦いだった。オールスターに出る選手は休むことができないけれどファンの方に素晴らしいプレーを見せて欲しいし、少し休める選手、スタッフの方は家族とゆっくりしてまた後半やってもらえればいい」とのメッセージを伝えたという。
一方の阿部監督は前半戦をこう総括した。
「今日は、よく勝ったんですけど、なかなかバッター陣がね。もうちょい奮起しないと、阪神に食らいついていくのは厳しい。オールスターブレイクで反省するところはして、しっかりと対策を練って、後半残り50数試合ですが、そこに向けてしっかりとやってもらいたい」
岡本は今月末にも打撃練習を再開する予定らしいが、復帰をあてにしていればペナントレースは終わってしまう。クライマックスシリーズへの出場権争いも、2位の横浜DeNAと0.5差、4位の中日と2差、5位の広島と2.5差と熾烈だ。ただ5点差を逆転して対阪神の連敗を5で止めた劇的なゲームは、後半戦からの逆襲を予感させるものだった。