「1、2回のボクシングを貫けず(井上)拓真選手が想定以上だった」那須川天心と粟生トレーナーが「なぜ負けたか?」の“緊急反省会”…「その上をいかなきゃ世界王者にはなれない」
那須川天心(27、帝拳)の専属トレーナーである元2階級制覇王者の粟生隆寛(41)が29日、墨田区のひがしんアリーナで開催中の全日本ボクシング選手権の中で行われたマスボクシングのエキシビションマッチに出場し、囲み取材に応じ、27日に天心と緊急反省会を開いたことを明かした。天心は24日のWBC世界バンタム級王座決定戦で井上拓真(29、大橋)に好スタートを切りながらも判定負けを喫していた。粟生トレーナーは、3ラウンドから戦術を切り替えてきた拓真に対応できなかった部分を反省し「失敗を失敗のまま終わらせない」ことを誓ったという。
「(相手の前進を)いかに狂わせ、ずらすが作戦だった」
2日前に緊急反省会が開かれた。
この日、元WBC世界フェザー、スーパーフェザー級の2階級制覇王者の粟生トレーナーは、ボクシングの普及、振興のためアマチュアボクシング連盟が推奨しているマスボクシングのエキシビジョンマッチに元世界王者チームの一員とし出場した。習志野高時代にアマ6冠。アマチュアボクシング界への恩がある。
「負けていませんよ」と悔しがる内容で黒星を喫したが、その後の囲み会見で、自らが呼びかけ、拓真に敗れた天心と同日のIBF世界フェザー級挑戦者決定戦でライース・アリームに判定で敗れた中野幹人の2人と食事を共にしながら「慰めと反省会」を開いたことを明かした。
「天心が前向きなので(雰囲気は)重くならず前向きに考えられるミーティング」だったという。
テーマは「なぜ負けたか」、そして「今後何をどうすべきか」だ。
粟生トレーナーは敗因をこう分析した。
「1、2ラウンドのペース、ボクシングは悪くはなかったのに貫くことができなかった。3ラウンドから切り替え前にこられて後手に回った。自分から動くボクシングをもっとさせたかったが、拓真選手が一枚上。ずるずるともっていかれた」
1、2ラウンドは、拓真のパンチが届かない距離を取り、誘いをかけるカウンター戦術で、1ラウンドの終了間際に左のロングフック、2ラウンドには右のカウンターフックで膝をぐらつかせた。
だが、3ラウンドから、拓真がテンポアップして前に出て、ジリジリと距離を詰められると、天心のボクシングがおかしくなった。
「井上拓真というボクサーは、C(WBC暫定)とA(WBA)を2回獲っているチャンピオン。天心は8戦目でまだ(ボクシングに転向して)2年そこそこ。負けてたまるかの強い気持ちに急にペースを変えれる器用さというか、柔軟な対応力、そして想定以上に切り替えが早かった。そこで天心が戸惑い、いいところを突かれた。天心が自分から動いて逆に変えらればよかった。拓真選手の自信、気迫もあったんでしょうが、その上をいかないとチャンピオンになれない」

