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中日の井上監督が苦しい戦いを強いられている(資料写真・黒田史夫)
中日の井上監督が苦しい戦いを強いられている(資料写真・黒田史夫)

「何のために敵に恩恵のあるテラス席を作ったんだ?」中日がまた“ホームランウイング弾”で広島に敗れて球界重鎮があきれる…グラブ叩きつけたマラーには「高額な罰金を取れ!」と喝

 また見過ごせないミスもあった。
 先制点を与えたのもマラーの自滅だった。2回二死二塁で中村をボテボテのゴロに打ち取るも一塁線へ走って打球を処理したマラーのバックトスが乱れて走者の生還を許した。しかもミスをした自分が悔しかったのか、マラーは一塁へバックトスをした直後にグラブをフィールドの外に叩きつけ、ホームへのカバーにも走らなかった。
 中日スポーツなど各社の報道によると、試合後に井上監督は、「言語道断。その後もあるわけだから」と苦言を呈した。
 広岡氏も「やってはならない行動。チームの規律が乱れる。高額の罰金を取るべきだ!」と提言した。
 またマラーは初回に菊池、2回に坂倉と2つの盗塁を許した。明らかにクセを盗まれていた。開幕ローテーからマラーが外された理由のひとつに、こういう課題を克服できていない点もあったのだろう。
 走塁ミスもあった。
 7回に板山の一、二塁間を破るタイムリーで1点を返し、さらに一死一、二塁で代打阿部の打球がセンターの頭上を襲う。背走した大盛がグラブになんとか当てるもかなり深い位置まで打球は転がっていた。しかし、一塁走者の板山は三塁にストップしていたのだ。
 井上監督も「検証はするけれど回れなかったのか」と板山の走塁ミスを指摘した。
 ここで栗林が交代。一死二、三塁と一打逆転の場面で代わったルーキーの齊藤汰直から、福永がライトへ強烈な打球を放つも、中村が猛チャージをかけていたため、タッチアップは自重した。これは三塁コーチの判断。中村の肩と捕球体勢を考えるとストップはやむなしだったのかもしれないが、結果的には、ここしか同点に追いつく機会はなかった。続く村松も齊藤の足元に弾き返したが、グラブに触れその打球を菊池がフォローして得点につなげることができなかった。
 広島の好守にも阻まれた。
 5回二死二塁から福永の左中間を襲う打球を大盛がダイビングしてスーパーキャッチ。大盛は9回にも板山の打球を超ファインプレーでアウトにしている。また9回無死一塁からは、石伊のセンターへ抜けてもおかしくなかった打球を菊池がダイビングで止め、しかも“神業”のグラブトスでゲッツーにしてしまった。
 ミスのあった中日と好守備でピンチを切り抜けた広島。その差が勝敗を分けたのかもしれない。
 広岡氏は開幕前、中日の躍動に期待していたという。
「戦力的には阪神が盤石だが、対抗馬としては中日が面白いと思っていた。まだシーズンは長いが開幕ダッシュの失敗は響くよ。中継ぎが整備されていない上に、テラス席のマイナス要素。どう盛り返すか」
 広岡氏が、指摘するように救援防御率は6.11で、ブルペンが崩壊してしまっている。トレードで日ハムから杉浦を緊急補強しているが、立て直しには、時間がかかるだろう。借金は8にまで膨らんだ。最下位脱出の光が見えてこないのが現状だ。
(文責・駒沢悟/スポーツライター)

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