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試合後に天心とエストラーダは健闘を称え合う(写真・山口裕朗)
試合後に天心とエストラーダは健闘を称え合う(写真・山口裕朗)

「あの日本人(天心)はとてつもなく強い。俺の現役時代にいたなら叩きのめしたかった」那須川天心に肋骨を折られたエストラーダが引退を否定…メキシコ“伝説”チャベス氏は天心を絶賛

 プロボクシングのWBC世界バンタム級挑戦者決定戦で那須川天心(27、帝拳)に肋骨を折られ9回終了TKO負けを喫した元2階級制覇王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(36、メキシコ)が14日までにインスタグラムを更新し、天心を「素晴らしいファイター」と称えると共に現役引退を否定した。またエストラーダの母国メキシコでこの試合を解説したメキシコの元3階級制覇王者のフリオ・セサール・チャベス氏(63)が天心を「とてつもなく強い」と称賛していたことも明らかになった。

 

エストラーダは京都観光の写真と共にメッセージを投稿した(エストラーダのインスタより)

 

 最悪の誕生日だったのかもしれない。14日に36歳となったエストラーダは、まだ日本に滞在して家族と共に京都観光をしていた。天心に敗れた傷心を癒す旅だったのか。
 11日のWBC世界挑戦者決定戦で、天心に左の肋骨を折られ、痛みに耐えかねた9回終了後に自らセコンドに「これ以上試合はできない」とギブアップを伝えた。陣営はコミッショナードクターの助言を得た上で棄権を申し出た。試合後は、救急車で病院に搬送。記者会見に応じることができなかったが、自らのインスタで心境を明かした。
エストラーダは、まず最初にファンに感謝を伝え、「敬意と感謝を込めてお伝えしたいのは、再び王者になるために自分にできることはすべてやったということです。負けた試合を『敗北』とは捉えていません。それは『学び』だと思っています。なぜなら、そこには何か月もの準備と、すべての心を注いでいるからです」と前向きに振り返った。
「本当に必死に努力しました。結果は自分が望んでいたものでも、皆さんが望んでいたものでもありませんでしたが、素晴らしいファイターと戦ったことは確かですし、どんな相手であっても逃げずに戦ってきたという自負があります。常に最もタフな相手と向き合ってきた、それが自分の誇りです」
 天心を「素晴らしいファイター」と称え、元4階級制覇王者のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)との3度の戦い、パウンド・フォー・パウンドランキング4位のWBC、WBA、WBO世界スーパーフライ級王者のジェシー“バム”ロドリゲス(米国)に7回KO負けを喫したビッグファイトなど過去の戦いを自らのプライドだと記した。
 また天心のボディショットで2本折られた肋骨は「1か月間は激しい動きや重いものを持つことはできない」という状況だという。
 メキシコのボクシング専門メディア「izquierdazo(イスキエルダソ)」が「エストラーダの敗北は、おそらくエリートレベルでのキャリアの終焉を意味する。36歳となり明らかな消耗、そして若く大きな天心に対する明確な敗北を受け、引退を求める声がすぐに上がった」と報じるなど、この試合を限りに現役引退するという見方が多勢を占めた。
 エストラーダ自身も天心戦前に「試合内容次第では引退を考えなければならないかも」とも口にしていた。
 その去就に注目が集まっていたが、エストラーダはキッパリと引退を否定した。
「今の目標は、家族との時間を楽しみ、静かに過ごし、落ち着いて考えることです。近いうちにまたお知らせします。新たなメンタリティ、新たなプロジェクトとともに。ガジョは去りません…」
「ガジョ」とは、スペイン語で「雄鶏(おんどり)」。闘争心がむき出しにした好戦的なファイターであるエストラーダにつけられたニックネームだ。
 フィリピンのレジェンドで43歳になるノニト・ドネアも、WBA世界バンタム級の団体内統一戦で堤聖也(角海老宝石)に敗れた後に増田陸(帝拳)と同挑戦者決定戦に抜擢された。結果、無残にTKO負けを喫したが、エストラーダもまだ3階級制覇の夢を捨てられないのだろう。

 

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