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横浜の織田翔希が智弁和歌山に3ランを浴びるなど3回途中でKOされ準決勝で涙をのむ(資料写真・スポーツ報知/アフロ)
横浜の織田翔希が智弁和歌山に3ランを浴びるなど3回途中でKOされ準決勝で涙をのむ(資料写真・スポーツ報知/アフロ)

元ヤクルト編成部長が横浜の織田翔希の甲子園最速156㎞“伝説の5球”を松坂大輔氏とマー君の2人と比較した…「ポテンシャルで言えば上。ストレートの質、スライダーのレベルは…」

 第108回全国高校野球選手権大会の2回戦3試合が14日、甲子園で行われ、昨年のセンバツ優勝校である横浜が日南学園に10―1で勝利して16強進出を決めた。6回まで1-1で均衡するゲームだったが流れを変えたのがプロ注目の右腕、織田翔希だった。6回の絶体絶命のピンチに救援登板し、無死満塁を甲子園最速となる156キロをマークした投球で無失点に切り抜けた。元ヤクルト編成部長で、ヤクルト、阪神、楽天ではコーチとして故・野村克也氏を支えた松井優典氏は「高校野球の歴史に名を刻むワンシーン。高校時代の松坂大輔、田中将大のレベルに近づいた」と絶賛した。

 「酷だったが織田に託した」「球場のお客さんがガラっと変わった」

 甲子園はヒーローの登場に色めき立った。
 無死二、三塁の大ピンチに村田浩明監督はエースの織田をマウンドに送った。織田は、1回戦で9回二死まで139球を投げ、中3日。ベンチは、この日、2安打の田中皐晴を申告敬遠。無死満塁として4番で投手の谷口銀次郎との勝負を選んだ。
「究極の場面に申告敬遠してノーアウト満塁にした。酷だったがそれを織田に託した。さらに酷な思いをさせた。織田ならやってくれると決断した。織田が応えてくれた。野手も応えてくれた。チーム一丸が見えた試合」
 これが村田監督の試合後の回想。
 その初球は153キロ。1-1からの3球目の空振りが156キロを示すと場内をどよめきが包む。織田の自己最速は神奈川大会で出した157キロだが、156キロは春夏を通じて甲子園最速。日南学園OBである寺原隼人(2001年当時ダイエー、現ソフトバンクにドラフト1位)、佐藤由規(仙台育英→2007年ヤクルト同1位)、石垣元気(健大高崎→2025年ロッテ同1位)が持っていた155キロを1キロ更新した。  
 追い込んで外角へ155キロをズバッ。谷口は手が出ず織田は雄叫びをあげた。
 さらに一死満塁と大ピンチは続くが下川源次の初球に149キロのストレート。押し込まれた下川はセカンドゴロに倒れた。一瞬、二塁手はホームか、セカンドか、送球先を迷うが、セカンドへ送り、そのボールは上ずったが、ショートの池田聖摩がうまくカバーしてダブルプレーを成立させた。
 織田は「おっしゃあ!」と声をあげてガッツポーズ。ベンチ前で捕手の脇山魁音と抱き合い、ベンチに戻ると興奮のあまりベンチへグラブを叩きつけた。
「監督さんに『ピンチになったら行くぞ』と言われていたので準備はできていた。絶対に抑えようというつもりだった。1球で球場の雰囲気を変えようと思った」
 織田はその時の心境をこう明かしている。
 まさに織田は試合の流れを1球で変えた。
 6回の攻撃ではエンドランで打ち上げた打球をライトが落球したものの、二塁を狙った打者走者がアウトとなり、その間にホームを突いた川上慧も本塁で憤死。嫌な流れのまま6回の絶対絶命のピンチを迎えていたのだ。だが、その156キロと奇跡の5球は、球場の雰囲気を一変させた。
 村田監督が言う。
「ガラっと変わった。流れを変えられる織田の球は違った意味で力のある、球場のお客さん(のムード)を変えるピッチャーに育ってくれた」
 指揮官は7回から「打席に前に立ち変化球が曲がる前を打とう」と指示を出した。7回二死二塁から9番打者、千島大翼の左中間を破るタイムリー三塁打で勝ち越した。さらに小野舜友が崩されながらも片手で一、二塁間を破って2点目を追加。押せ押せムードの中、小林大雅の打席で小野舜友がその初球に盗塁を仕掛けて捕手の悪送球を誘い三塁まで進み、その小林も四球で歩き盗塁を決めて一死二、三塁としてから池田がセンター前へ2点タイムリーで5-1。織田に十分すぎるほどのリードを与えた。

 

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