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リアル二刀流で出場した大谷翔平が2試合連続の22号2ランで自らの1か月ぶりの6勝目を援護(写真・AP/アフロ)
リアル二刀流で出場した大谷翔平が2試合連続の22号2ランで自らの1か月ぶりの6勝目を援護(写真・AP/アフロ)

「本当にこれ以上何も言うことはない」22号2ラン&6回2失点で6勝目の大谷翔平に“名将”ボウチーが“降参”

 エンゼルスの大谷翔平(28)が15日(日本時間16日)、敵地のレンジャーズ戦に「2番・投手兼DH」で出場、投手としては、6回99球6安打3奪三振2失点で2-2のスコアで降板した。だが、7回にチームが勝ち越し、DHで継続出場した8回に自らを援護する2試合連続の22号2ランを叩き込み、5-3で6勝目を手にした。首位レンジャーズとの4連戦を3勝1敗で終え、ゲーム差は4.5。エンゼルスのフィル・ネビン監督(52)は「(今季のMVP獲得に)疑いはない」と称賛。4戦で4本塁打8打点、1勝を許したレンジャーズのブルース・ボウチー監督(68)は「本当に、これ以上何も言うことはない」と“白旗”を上げた。

 敵地に3万5000人を超える大観衆

 

 レンジャーズの本拠地であるグローブライフフィールドは3万5092人のファンで埋まった。地元紙のダラスモーニングニュースによると、昨年、ヤンキースのアーロン・ジャッジが61本のア・リーグの年間最多本塁打記録に挑んだ試合を除き、平日のナイターでは2020年の開業以来最多の観客動員。
「ファンたちは、ネイサン・イオバルディと大谷翔平を見にやってきた」という。
 “リアル二刀流”の大谷翔平と、FAで昨年レッドソックスから2年総額3400万ドル(47億9000万円)で移籍、ここまで9勝をあげているエース右腕、ネイサン・イオバルディの“対決”が注目を集めていたのである。
 大谷は魔球「スイーパー」に頼るピッチングスタイルを一新した。1回の立ち上がりに、先頭に四球を与えた大谷は、フィーシームを軸に押し込み、二死一、三塁となったが、5番のヨナ・ハイムを157キロのフォーシームでセカンドフライに打ち取った。この回、29球も投げることになったが、その初球は100マイルを超え、161キロを示した。
 2回にコンビを組むチャド・ウォーラクのソロアーチで先取点をもらうが、3回に連続タイムリーなどで2失点して逆転を許す。それでも、ふた回り目からは、目先を変えるカーブを織り交ぜながらの粘投と続け、4回に同点に追いついてもらうと、5,6回と無失点に抑え、99球6安打2失点3奪三振で降板した。与えた四球は、先頭打者のひとつだけ。ストライク率は63%と、安定した制球力でゲームを作った。
 5月16日のオリオールズ戦以来、4試合、ちょうど1か月間も白星から遠ざかっている大谷を「勝たせたい」との思いがチームを一丸にしたのか。
 7回に同点タイムリーを放っていたミッキー・モニアクの6号ソロで勝ち越し、大谷に勝利権利を与え、そして8回にビッグな二刀流ショーが待っていた。
 8回無死一塁で2番手左腕のブロック・バークが初球に投じた外角高めのスライダーを逆方向へ運ぶ。打球は、左中間の2階席へ。前日に打った21号とほぼ同じ場所。大谷はゆっくりと、確信歩き、この日は、バット放り投げなかった。22号2ランで自らの6勝目を決定的にした。
 米メディアも連日の大谷賛歌だ。
 MLB公式サイトは、「MVP最有力候補の大谷は、木曜日の夜に間違ったことは何もせず、レンジャーズのラインアップをマウンドから切り裂き、打席では、流し打ちの2ランでチームに勢いをもたらして5-3で勝利した」と報じた。
 22号は、ナ・リーグの本塁打争いでトップに立つメッツのピート・アロンソに並び、レンジャーズとの4連戦で4本目の本塁打となったことを伝え、「1900年以来、その日の終わりに本塁打数と相手打率(最低70イニング投球)の両方で、MLBでトップに立つ初の選手となった」と紹介した。
 同サイトは、「この本塁打は(左投手の逆方向への過去最速をマークした)前日の21号ほど強烈な打球とはならなかったが、チームが欲しかった2点の追加点と、シリーズ勝ち越しへの道筋をつけ、確かなインパクトがあった。投手としては、力強い投球を見せ、強力なレンジャーズ打線を相手に6安打2失点のみに抑えた。彼は、1回に29球を要したにもかかわらず6回を投げ切った」と絶賛。

 

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