「ぶっ倒しますよ」9.2横浜…プロ5戦目でWBA王座初挑戦の吉良大弥のパンチは“KOダイナマイト”「内山高志氏に階級は違うが似ている」コンビを組んでいた名トレーナーが証言
最大の敵はむしろカニサレスではなく過酷な減量だ。
現段階で残り7キロある。ただ減量については、堤駿斗、麗斗兄弟を指導している元ボクサーの海藤正晴氏に「すべて任せている」という。
毎日、食事のメニュー、グラム数まで指示がくる。その食事は自炊している。「味付けもクソもない。ただ焼いているだけ。たとえば、足が重く感じたから何を食べる。エサですよ」と自虐的に説明した。
当初、正規王者でWBOとの統一王者でもあるレオ・サンティアゴ(プエルトリコ)へ8月2日にトヨタアリーナ東京で挑戦する方向で交渉がまとまっていた。だが、サンティアゴが練習中に左肘を負傷したため、WBAは、サンティアゴから正規王者を剥奪して、休養王者とし、日程を1か月ずらして、正規ベルトの王座決定戦に変更となった。
だが、サンティアゴの代理人が「王座を返上したわけでも指名防衛戦を拒否したわけでも、WBAへの協力を怠ったわけでもない。彼が一時的に試合に出場できなくなったのは世界王者としての義務を果たすための準備中に負った、明白な負傷が唯一の原因である」などと主張して、今回のWBAの措置に異議を申し立て、法廷闘争に持ち込む意向すら示した。
それらの情報を耳にした吉良はまったく相手にしていなかった。
「僕がサンティアゴとめちゃくちゃやりたい。ベルトを持ってなくてもやりたいみたいな感じなら、なんかあったんでしょうけどチャンピオンになりたい、ベルトが欲しいという気持ちなんで何も思っていない。まだやってみないとわかりませんが、ライトフライ級はこれを最後にするつもりなんで、サンティアゴがベルトを剥奪されて良かったみたいなところもありますね」
減量のきつい吉良は、世界ベルト奪取後は、統一戦に向かうのではなくフライ級への転級、2階級制覇を考えている。ファンの間では、現WBC王者の岩田翔吉、高見亨介(共に帝拳)、谷口将隆(ワタナベ)らに勝った日本人キラーのサンティアゴとの統一戦への待望論があるが体重を作れないリスクは犯したくない。
勝てば田中恒成氏に並ぶ日本人史上最速タイ記録。
吉良は、その記録に興味はない。
井岡の7戦目も抜くが、師匠を超えるのはそんなことではない。
「実質超えたと思えるのは、たぶん僕が5階級制覇した時。井岡さんが5階級制覇したらタイ(記録)でいいです」
5階級制覇の夢をあきらめず現役続行を決めている井岡にリスペクトを示して、9月2日、横浜で歴史的なリングに上がる23歳のホープは憎めない笑顔を返した。

