「ぶっ倒しますよ」9.2横浜…プロ5戦目でWBA王座初挑戦の吉良大弥のパンチは“KOダイナマイト”「内山高志氏に階級は違うが似ている」コンビを組んでいた名トレーナーが証言
プロボクシングのWBA世界ライトフライ級王座決定戦(9月2日、横浜BUNTAI)に挑む同級1位の吉良大弥(23、志成)が17日、東京目黒区の同ジムで公開練習を行い、元WBC、WBA同級王者のカルロス・カニサレス(33、ベネズエラ)戦に向けての意気込みを語った。トレーナーで会長の佐々木修平氏(41)はかつてWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志氏(46)とコンビを組んでいたが、「大弥のパンチの質は軽量級だけど内山さんに似ている。ぶっ倒しますよ」と証言した。5戦目で世界奪取に成功すれば、元4階級制覇王者、田中恒成氏(31、当時畑中)の持つ日本人最速記録に並ぶことになる。
「冷静になるために判定でもと言ってるんですけど倒す気持ちです」

公開練習で吉良のミットを持ったのは会長の佐々木トレーナーではなく若い大里拓未トレーナーだった。
「持たないの?」
佐々木トレーナーにそう問うと「交代、交代で持っているんです。なにせパンチが強いんで手が痛くて」と冗談を交えて明かした。
佐々木トレーナーは、かつてKOダイナマイトの異名をもらった内山高志氏の専属トレーナーとしてミットを持ってきた。強いパンチには慣れているはずだった。
「内山に比べたら階級も全然違うし楽だろう?」
佐々木トレーナーはクビを振った。
「ちろん階級は違うんですけど、パンチの質が内山さんに似ている。重くてキレがある。しかもどっちも硬い。状況に応じて重いパンチ、キレのあるパンチを打ち分けることができる。まだプロ4戦ですが、パンチにメリハリをつけられる。それができるのが大弥のボクシングIQの高いところ。ぶっ倒しますよ」
吉良は、現役時代に24勝20KOの高いKO率を誇った内山氏のダイナマイトパンチを受け継ぐ男だった。
歴史を作るための準備は整いつつある。
消化したスパーリングは120ラウンド。元OPBF東洋太平洋フライ級王者で世界戦挑戦経験が2度ある桑原拓、日本ライトフライ級3位の片岡雷斗(共に大橋)、元日本&OPBF東洋太平洋フライ級王者の飯村樹輝弥(角海老宝石)、2026年U-23アジア選手権銀メダリストの岩井大地(東京農大)らと拳を交えてきた。
初の世界戦を約2週間後に控えた吉良にピリピリ感はなかった。
「判定でもKOでもなんでもいいんです。相手に合わせていろんなことをして圧倒的に勝てたらいい」
ただ本音は違う。
「冷静になるために判定でもと言ってるんですけど、もう結構、倒す気持ちです。何ラウンド?ラウンド数を言うとちょっと乱れるんでラウンド数はわかんないですけど、倒す気持ちはあります」
そう言ったもののすぐに「やっぱり判定で」と訂正した。
控え目な発言の裏には、ジムの大先輩で吉良が尊敬する元4階級制覇王者、井岡一翔の助言があった。1週間前のスパーリング前に井岡から「余裕を持ってやれよ」と声をかけられた。
「自分の中では嬉しい言葉で大事やなと思った。世界戦なんで張り詰めちゃう。さすがよく見られている。いい具合に脱力というか、気持ちのバランスを取ること」
井岡からはカニサレス戦に向けての戦術的な話もなかった。
「それを聞かされると性格的にそこばかりに気持ちが向いちゃうんで。わかっていて、あえて言わないようにしてくれたんだと思う」

