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無冠の堤聖也は会見が始まると持参したWBAベルトを机の上に置いた(写真・山口裕朗)
無冠の堤聖也は会見が始まると持参したWBAベルトを机の上に置いた(写真・山口裕朗)

「王座を盗まれたという方が正しい」なぜランク1位の堤聖也はWBAベルトを持参したのか…王者の増田陸は「リスペクトをもって」受け止め「くたびれて見える」と反撃して3回以内KOを宣言

「今、自分の目の前にあるベルトを遡った時、井上拓真選手から堤選手がタイトルマッチで取ったベルトであることを意識しているので(ベルトを持参した行動に)リスペクトはもっています」
 そして「これが本当の登竜門。この試合をクリアすればもっと自分が強くなる。ワクワクしているし楽しみ。必ず勝って自分が真のチャンピオンシップであることを証明したい」と続けた。
 堤の独壇場となった会見で反撃することも忘れていなかった。
「久しぶりに実際、目の前にして感じた印象としては少しくたびれたなと。雰囲気ですね。古着のジャケットも着ていたし(笑)」と毒ガスを浴びせた。
 そしてこうも宣言した。
「いろんな想定があるが、(堤が)3という数字が好きみたいなんで3ラウンド以内に決着をつけたい」
 会見で先に堤が「日本王座の3度目の防衛戦で(増田と)対戦して今回も3度目の防衛戦。3という数字に縁がある」と「3」というキーワードを出していたため、それに引っ掛けての洒落っ気のある思い切ったアンサーだった。
「タフな選手だが、自分の勝ち筋もしっかりと見定めれている。そこにこれから磨きをかけて試合まで研ぎすましていきます」
 一方の堤は、「そりゃくたびれるでしょう」と毒ガスをかわし、3回以内KO宣言を伝え聞くと「おお!」と笑い、冷静にこう返した。
「僕の勝ち方だと、どういう勝ち方かわかんないですけど、増田選手の勝ち方なら序盤に仕留めるか、中盤終盤に倒すか、ダウンを取ったポイントで逃げ切るかの勝ちパターンがある。序盤に僕をぶっ倒す勝ち方も大いにある選手なので、そういうことも想定しながら準備に入っています」
 起こるべき展開をよく理解している。
「あの強打を12ラウンドね。めんどくさいですね。考えたくない」
 1-2のスプリット判定で、試合後に比嘉陣営が判定に物言いをつけた増田と比嘉の試合は「もう一度見直した」という。
 堤の採点は「117-111」で増田の勝ち。
「どっちかと言えば(増田の)強みの方がいっぱい見えた。3年前からの成長。前回の感じとはまた違うことになると思うんで。気持ちが強く、感情的だった選手が理性でそれを抑えるようになっていますからね」
 3年前の再戦である。
「井上尚弥4団体統一記念バンタム級トーナメント」の準決勝で、当時、日本バンタム級王者だった堤がプロ4戦目の増田の挑戦を受けて3-0判定で勝利した。途中堤が目の上をカット。途中採点では2者が増田が支持していたが後半に堤が持ち前の粘りで逆転した。スイッチャーの堤は、左構えを要所に織り込み、増田の”神の左”を封じ込めた。
「目を切ったから派手に見えるけど僕のプラン通りの試合だった。相手のキャリアが浅かったことも戦略のポイントとしてあった」

 

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