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スアレス(左)から報復死球を受けた大谷翔平が自軍がベンチを飛び出すことを制する(写真・AP/アフロ)
スアレス(左)から報復死球を受けた大谷翔平が自軍がベンチを飛び出すことを制する(写真・AP/アフロ)

大谷翔平への“報復死球”認定の元阪神スアレスが「意図的ではなかった」と出場停止処分に異議を申し立てて5分間の猛反論…「ロバーツ監督は何でも言える。大谷とのやりとりはなかった」

 メジャーリーグ機構は20日(日本時間21日)、ドジャースの大谷翔平(30)に19日(同20日)の試合の9回、故意に死球を当てたとして、パドレスの守護神で元阪神のロベルト・スアレス(34)に3試合の出場停止処分を科すことを発表した。スアレスは異議申し立てを行い「意図的ではなかった」と心中を激白した。パドレスをカバーしている米Youtubeチャンネル「MartyTimeTV」などがその様子を伝えた。また同機構はドジャースのデイブ・ロバーツ監督(53)とパドレスのマイク・シルト監督(56)に1試合の出場停止処分と罰金を下し、2人は処分を受け入れ、20日(同21日)の試合(ドジャース対ナショナルズ戦、パドレス対ロイヤルズ戦)のベンチに入らなかった。

「トラブルは避けたかった。誰にもぶつけないようにしていた

 メジャーリーグは警告試合が宣告されている中でスアレスが大谷の背中にぶつけた死球を故意の“報復死球”と認定し、3試合の出場停止処分を下した。だが、本拠地ペトコパークでのロイヤルズ戦前に、メディアの取材に応じたスアレスは、故意死球を完全に否定した上で「MLBに異議申し立てをするのか?」との質問に「はい。それはしなければならない」と即答し、約5分間にわたってスペイン語の通訳を介して、その心中を激白した。
「こうした状況(ペナルティを受ける)に立つのは初めての事。どういう状況なのか、どういった選択肢があるのかを正確に把握する必要がある。(死球は)意図的なものではなく、試合を終わらせようとして救援登板した中で、あれが起きてしまったんだ」
 大荒れの“遺恨試合”の中でそれは起きた。16日からスタートしたドジャースとパドレスの4連戦は、第1戦でドジャースのアンディ・パヘスが死球を受けて激怒したところから、遺恨が始まり、第2戦では両軍で3死球の警告試合が宣告されるゲームとなり、大谷が明らかな報復死球を太腿に受けて、ロバーツ監督が退場処分となった。そして第3戦で再びパヘスが死球を受け、第4戦では9回表にジャック・リトルがフェルナンド・タティスJr.の右手首に死球を当てたことで両軍ベンチが空っぽとなる、あわや乱闘の騒ぎとなり、両軍監督が退場、警告試合が宣告された。
 その裏二死三塁から今度は大谷がスアレスにカウント3-0から報復死球を背中に浴びた。この時、大谷が飛び出そうとしている自分のベンチのメンバーを手で制し、パドレスのベンチに近づき、エンゼルス時代の同僚のホセ・イグレシアスと談笑するなどして、不穏な空気を和らげて“本当”の乱闘となる危機を食い止めていた。
 日米のファンからSNSでも批判が殺到しているスアレスは、ソフトバンク、阪神でプレーし、阪神時代の2020年、2021年に2年連続で最多セーブタイトルを獲得している剛腕ストッパー。
 パドレスが5-0で迎えた9回に最初にマウンドに上がったのはショーン・レイノルズだったが、一死一、三塁になるとシルト監督は守護神のスアレスをマウンドに送っていた。
 その9回に何が起きたか?と問われたスアレスは、「いつもと同じセーブ機会のように試合を締めようとしていただけ。トラブルに陥らないように誰にもぶつけないようにしていた。残念ながらそれが起きてしまったんだ」と故意の報復を強く否定した。
 だが、スアレスは大谷に対してボール3になるまですべて外角球で、勝負を避けているかのように見えた。それが突然、4球目に大谷の体に向かって99.8マイル(約160.6キロ)のストレートを投げ込み、右の肩甲骨の下あたりにぶつけたのだ。とても制球ミスには見えなかった。
 ロバーツ監督は「絶対(意図的)だ。カウント3-0だぞ。右投げの投手がクロスに投げて(左打者の)翔平にぶつけることは難しい。スアレスがこれまで何人の左打者に速球をぶつけたかも知らない。しかしその背景には明らかに意図があった」と猛烈に批判した。MLB公式サイトの調べによると、スアレスがキャリアで左打者に与えた死球は2022年の2つだけだという。

 

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