
「なんなんだ?(私だけに最速球を投げる)オオタニと一度話し合いたい」大谷翔平のメジャー移籍後最速の163.7キロで併殺打のロイヤルズ4番打者が過去の因縁を告白して“クレーム”つける?!
ドジャースの大谷翔平(30)が28日(日本時間29日)、敵地でのロイヤルズ戦に「1番・投手兼DH」で出場、今季3度目の先発で、最長の2イニング、27球を投げて1安打1三振1四球で無失点に抑えた。また公式戦ではメジャー移籍後最速となる101.7マイル(約163.7キロ)をマーク。併殺打に打ち取られたロイヤルズのビニー・パスクアンティノ(27)は、2年前のWBCでも大谷に102マイル(約164.2キロ)の最速球を投げ込まれており、自分にだけ記録的なボールで勝負してくる大谷にあきれて「2年前に“なんなんだ?”となった。一度(なぜ私にだけ最速球を投げてくるかを)話し合いたい」と、ジョークを交えてクレームをつけた。
2年前のWBCでも対戦して164キロで空振り三振
打席からスタートする敵地での二刀流でエンジンがかかったのか。3度目登板で初のアウエー登板となった大谷が凄かった。第1打席は、10種類の球種を操るセス・ルーゴに見逃しの三振に斬って取られたが、マウンドに上がると、1番のジョナサン・インディアを外角の98マイル(約157.7キロ)のストレートでセカンドフライに打ち取り、ロイヤルズの看板打者のボビー・ウィットJr.には外角のスイーパーをレフト前へ運ばれ、続くマイケル・ガルシアに四球を与えるも、4番のパスクアンティノに対してギアをあげた。
初球に99.2マイル(159.6キロ)、2球目に100.2マイル(約161.3キロ)のストレートをインコースに投げ込んで追い込むと、3球勝負のウイニングショットがメジャーでのキャリア最速となる101.7マイル(約163.7キロ)をマーク。左打者のインコースのギリギリにスバッ斬り込んでくるストレートにパスクアンティノはセカンドゴロに倒れ4-6-3の併殺打である。
スポーツネットLAのインタビュー映像によると、試合後、大谷は、登板3試合目にしてキャリア最速をマークしたことに対して、こう満足気に振り返った。
「ライブBPで投げ続けたら、投げれてはなかったかなと思う。そういう意味では、実戦で早めに短いイニングで、しっかりと投げることによってそういう球速帯に慣れていくのはいいことじゃないかと思うので、そこもひとつ今日よかったこと」
大谷は、ライブBPを行った後に一度、体がクールダウンしてから打者として公式戦に出場するサイクルだと体への負担が残るため、公式戦で短いイニングでの二刀流をスタートさせる”リハビリ登板”に調整法を切り替えた。その調整法がプラスに転じて、3試合目にしてキャリア最速を出すことにつながったという。
MLB公式サイトは、「大谷が彼自身を含め誰も成し遂げていないことを再びやってのけた。1回一死一、二塁の場面でアドレナリンを出して最速記録を打ち立てた。二刀流スーパースターは、彼のメジャーキャリアで最速となる101.7マイル(約163.7キロ)の速球をパスクアンティノの内角に投げ込んだ。結果はダグアウトへ戻る大谷に笑顔を弾けさせるに十分なピンチを切り抜ける併殺打だった」と称えた。
同サイトによると、この101.7マイル(約163.7キロ)は今シーズンのドジャースの投手の中でも最速だという。
だが、その163.7キロでキリキリ舞いにされたパスクアンティノにしてみればたまらない。
カンザスシティースター紙、MLB公式サイトによると、「あの打席は残念だった。1回に併殺打となるゴロを打った。残念だった。彼を追い詰めていたところで、低めに速球、低めに速球と入ってきた。それから彼は102マイル(約164.2キロ)を投げてきた」と嘆き、「彼が復帰してマウンドに戻ってきたことは素晴らしいことだ」と、エールを送った。
そしてジョークを交えてさらなる嘆き節を伝えた。
「大谷のキャリアでの最も速い球を見せられた。そのうちの2球は、私に対してで、いつでも(大谷は)私にそのようにやり続けてくる。彼とは話し合う必要があるな。彼が一塁に出塁してくれば、一度、尋ねてみようと望んでいたところだったんだ。2年前に彼は私をアウト(三振)に打ち取った。それは164キロだった。私は空を見上げて“なんなんだ?どんな球なのかさえ分からない”となった。彼は、私にだえk速球を投げ込むことを好む。あれほど多くの速いボールを普通は投げ込んでくることはない」