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角田裕毅がオーストリアGP決勝のピットで懸命な作業を受けるが最下位に沈む(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)
角田裕毅がオーストリアGP決勝のピットで懸命な作業を受けるが最下位に沈む(写真・Getty Images / Red Bull Content Pool)

「なぜこんなにも遅いのか」角田裕毅がオーストリアGPで最下位の16番手に沈み表情強張る…英メディアは「角田の悲惨なレースの原因を究明する必要がある」と厳しい評価

 F1の今季第11戦、オーストリアGPの決勝が29日に行われ、18番グリッドからスタートしたレッドブルの角田裕毅(25)は完走した16台中最下位に終わった。最後までペースが上がらず、31周目にはアルピーヌのフランコ・コラピント(22、アルゼンチン)と接触。10秒ペナルティを科された末に、優勝したマクラーレンのランド・ノリス(25、英国)から2周遅れでフィニッシュした。4戦連続で入賞を逃す惨敗にレース後には「なぜこんなにも遅いのか。その理由を見つけるのが本当に本当に難しい」と不振脱却へ打つ手がないと認めた。いよいよ“途中解雇”の危機が現実味を増してきた。

 コランピットとの接触で10秒ペナルティも

 表情が明らかに強張っていた。
 F1公式サイトが公開した、角田が決勝後のフラッシュインタビューに応じる動画。コラピントとの接触について、インタビュアーから「見ていてつらかった。無理に頑張りすぎていたのではないか」と問われた角田は自らに非を素直に認めた。
「正直、フランコ(・コラピント)との接触は、不要なものだったと自分自身も思っている。何が間違っていたのかはわからないけど、少なくとももう1周待つべきだった。(追い抜こうとした判断には)自分でも驚いている。レースのペースそのものもかなり悪かった。もっと深く分析する必要があるけど、なぜこんなにも遅いのか。その理由を見つけるのが現状では本当に、本当に難しい」
 角田は17周目にも、アストンマーティンのランス・ストロール(26、カナダ)を追い抜こうとして接触。このときはお咎めなしだったが、コラピントのマシンへ内側から接触し、相手をスピンさせたシーンは審議対象となり、レース中にスチュワード(審議委員)から10秒のタイムペナルティを科された。
 コラピントと接触した際に、自らのマシンのフロントウイングを損傷。交換のためにピットインした間に10番手から最後尾へ下がっていた角田にとって、あまりにも痛いペナルティ。1周4.318kmのレッドブルリンクを70周する決勝が折り返しも迎えていない段階で、10位以内に入賞する望みをほぼ断たれてしまった。
 前出のフラッシュインタビュー。7月4日開幕の次戦・英国GPへ向けて「少し休養する必要があるのでは」と問われた角田は、努めて前を向きながらこう答えている。
「運転スタイルのなかに、これまでとは何か違うものを取り入れられるかどうか。とにかく左から右まですべてを試しながら、改善し続けるしかない」
 スタート前にウィリアムズのカルロス・サインツ(30、スペイン)のマシンにトラブルが発生。ピットレーンへ戻った直後にブレーキから出火し、そのままリタイアした決勝は15分遅れで始まった直後から予期せぬ展開を見せた。
 オープニングラップのターン3で、レッドブルのマックス・フェルスタッペン(27、オランダ)にメルセデスのキミ・アントネッリ(18、イタリア)が追突。1周もしないうちに2台がいきなりリタイアしたのに加えて、15周目にはウィリアムズのアレクサンダー・アルボン(29、タイ)までもがリタイアした。
 最終的には16台で争われた決勝で角田は最下位から浮上できないまま16番手でチェッカーを受けた。ポール・トゥ・ウィンで今季3勝目をあげたノリスからは2周遅れ。前日の公式予選では1回目(Q1)の18番手でまさかの敗退を喫したオーストリアGPを、レッドブル側もさすがに深刻な問題だと受け止めた。

 

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