「悪夢の“合体”が悪夢の事態に…」F1開幕戦でアストンマーティンが新コンビを組むホンダとPUトラブルで早くも内紛勃発?!…「優秀なスタッフが戻っていない」
F1の今季初戦、豪州GPが6日にメルボルン郊外のアルバート・パーク・サーキットで開幕し、ホンダが本格復帰したアストンマーティンがまさかの失態を演じた。ホンダ製のパワーユニット(PU)に問題を抱えていたアストンマーティンは、フェルナンド・アロンソ(44、スペイン)とランス・ストロール(27、カナダ)がまともに走れないまま2度のフリー走行(FP)を終了。バッテリーの問題で8日の決勝を棄権する可能性も浮上する前代未聞の事態に英国メディアは「悪夢のような“合体”が、最悪の事態に陥りつつある」と早くも内紛劇が生じていることを明かした。
「チームの雰囲気はまるで葬式のようだった」
F1シーズンの開幕を告げるサーキットに異変が生じていた。
日本時間午前中に行われたFP1で、5年ぶりに本格復帰したホンダと今季からタッグを組むアストンマーティンのマシンが見当たらない。ストロールの「18号車」は3周を終えただけでピットインし、そのまま1時間のセッションを終えた。アロンソの「14号車」に至っては、一度もコースインしないまま出走辞退が発表された。
セッションが開始されてすぐに、ホンダレーシングはチーム公式X(旧ツイッター)を更新。アロンソが辞退した理由を説明した。
「私たちはPU関連の疑わしい問題を発見しました。これにより#14(アロンソ)の車はFP1への参加ができなくなります」
続けてアストンマーティンのチーム公式Xもストロールについて言及した。
「ランスのFP1セッションは、PU関連の問題が疑われるために終了しました。両マシンの問題については、現在調査中です」
各GPの予選前に行われるFPは、自由な走行を介してマシンのセッティング調整や空気の流れの確認、コースへの順応などにあてる。たとえばFP1でトップタイムをマークしたフェラーリのシャルル・ルクレール(モナコ)は、22人のドライバー中で最多となる33周のラップを重ねて豊富なデータを得ている。
いきなり大きなハンデを背負ったアストンマーティンに何が起こったのか。実はアストンマーティンのマシンはプレシーズンテストの段階で、ホンダから新たに供給されるPUの激しい振動によってもたらされる数々の問題を抱えていた。
しかも原因を解明できないまま今季初戦を迎えた。英国メディアの『GP FANS』はアロンソと懇意にしているスペイン人解説者、アントニオ・ロバト氏の証言として「チームの雰囲気はまるで葬式のようだった」と伝えた。
「苦戦を強いられてきたアストンマーティンは、今季初戦で最悪のスタートを切った。パドックに漂う荒廃感と無力感は、それほど大きなものだった」
FP1後に国際自動車連盟(FIA)による記者会見が開催され、アストンマーティンのエイドリアン・ニューウェイ代表が出席した。英国のスポーツ専門局『sky sports』は、デザイナーとしてレッドブルで20年近く活躍し、昨年3月にアストンマーティン入りした67歳のニューウェイ代表が内情を暴露するコメントを伝えた。
「2021年末にF1から撤退したホンダは、再参入までに1年ほど競技から離れていた。その間にスタッフのほとんどが、ソーラーパネル事業など別の仕事に従事した。再参入しときのメンバーの大半が実はF1の世界に入ったばかりの初心者で、以前のような経験を持ち合わせていなかった。しかも予算に上限が設けられた時期に再参入したゆえに彼らは守勢でスタートし、残念ながら非常に苦労している」
伝わってくるのは、レッドブルにPUを供給していたホンダと今現在のホンダはまったく異なるという不満にも近い思いだ。ホンダはニューウェイ氏が加わる前の2023年5月にアストンマーティンと契約しているが、F1に携わるスタッフを巡る実情を知ったのは昨年11月だった。同代表はさらに不満をぶち上げた。
「レースで当初目標としていたパワーを達成できないのではないか、という噂が流れ始めたのを受けて私たちが東京に行ったときに、優秀だったかつてのスタッフたちの多くが戻っていないという事実を初めて知らされた」

