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井上拓真に0-3判定負けの井岡一翔は眼窩底骨折を報告した(写真・山口裕朗)
井上拓真に0-3判定負けの井岡一翔は眼窩底骨折を報告した(写真・山口裕朗)

「たった一つミスをした」井上拓真に完敗の井岡一翔が眼窩底骨折を報告も手術必要なし…控室で号泣した37歳レジェンドの心中は引退か、現役続行か…負傷回復次第“緊急進退決定会議”開催へ

 プロボクシングの元世界4階級制覇王者の井岡一翔(37、志成)が4日、自身のインスタグラムを更新し、2日に東京ドームで行われたWBC世界バンタム級王者、井上拓真(30、大橋)に0-3判定負けをした世界戦で右目に眼窩底骨折を負ったことを明かした。関係者によると手術の必要のない軽度なものだという。また井岡が試合後に控室で号泣し「たったひとつミスをした」と口走っていたことも明らかになった。引退か、現役続行か、その進退が注目されるが、志成ジムでは井岡の負傷が回復次第、緊急進退決定会議を開くという。

 

 敗戦の代償は大きかった。
 井岡のインスタによると「試合中に目に違和感があったため」会見をキャンセル、救急車両で病院へ直行する流れになったという。
 控室での簡易検査でも、右目の焦点が合わなかったため、眼窩底骨折の疑いがあり、その判断が下されたものだ。
 井岡は診断結果が眼窩底骨折だったことと共に「その他に異常はありませんでしたのでご安心ください。 ご心配をおかけしました」と報告した。関係者によると、脳には出血などの異常は見られなかった。眼窩底骨折の度合いも軽度で「手術の必要はない」と診断されたという。ただ連休明けには、念のため別の病院で再検査を受けて、セカンドオピニオンを求める予定だ。
 右目の視界がおかしくなったのは、2回に浴びたカウンターの右ストレートが原因だった。井岡はさらにアッパーから右フックの追撃を受けてダウンを喫した。3回には、右アッパーで2度目のダウンをしたが、世界屈伸のディフェンス力を誇る井岡が不用意に一発を浴びたのは右目がハッキリと見えていなかった影響だったのかもしれない。
 井岡はインスタで、さらに挑戦を受けてくれた王者の拓真、大橋秀行会長らへ感謝の意を伝え、「井岡一翔を信じ続け、応援していただいた皆様」へ「本来であれば、チャンピオンに返り咲き、5階級制覇を達成する姿をお見せしたかったのですが、それが叶わず本当に申し訳なく、悔しい気持ちでいっぱいです。応援していただいた皆様の期待に応えられなかった、その悔しさに尽きます」とのメッセージを綴った。
「勝利しリング上で伝えたい想いもありましたが、敗者としての立場をわきまえ、今は多くを語るつもりはありません」という。
 実は、試合後に井岡は控室で号泣していた。
 そして「たったひとつミスをした」とつぶやいたという。
 井岡は1回からプレスをかけて拓真のスピードを封じる動きを見せた。ジャッジの1人は井岡を支持、2回も続けてジワジワと前に出て、拓真を何度かロープにつめてボディを絡めたコンビネーションの手数と攻勢点で優位に立っていた。ジャブやスピードは拓真が上回っていたが、その右ストレートはスウェー技術ですべて外していた。だが、残り10秒を知らせる拍子が鳴ったと同時に井岡はこのラウンドのポイントを確実にするためにコーナーにつめてから力んで右を放った。だが、そのパンチに拓真が鮮烈の右のカウンターを合わせてきた。まともに被弾し、さらに左アッパー、右フックと追撃されてダウンをした。
 井岡が「たった一つのミス」と称したのは、この不用意に放った右ストレートのこと。無理にいく必要はなかった。
 結果的に、このミスで右目を痛め、2回には拓真が得意とする右のアッパーを避けることができなかった。
 井岡の興国高ボクシング部の同級生でかつては同じジムメイトだった元OPBF東洋太平洋ライト級王者の中谷正義氏(現大阪・吹田市で中谷ボクシングフィットネスクラブを経営)は「井岡は右重心になるクセがあるが、拓真は右にダッキングして視界からパンチを消して右のアッパーを放った。目の影響もあったと思うが、相当、井上陣営が研究して狙っていたんだと思う」と分析した。 
 2度のダウンで失ったポイントは大きすぎた。4ラウンドを終えた公開採点で2人が6ポイント差。僅差の駆け引き勝負でこそ井岡のキャリアが生きるが、ここまでポイント差が開くと取り返すことは難しかった。
 それでも井岡は、前へ出続けるも、拓真はあえて下がって兄の井上尚弥が「本当にパーフェクト。ロープ際のディフェンス、接近した時の肩の入れ方、密着具合が、変態(笑)」と称賛したロープ際のテクニックと、スピード、足さばきで逆にポイントを加算し続けた。

 

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