「たった一つミスをした」井上拓真に完敗の井岡一翔が眼窩底骨折を報告も手術必要なし…控室で号泣した37歳レジェンドの心中は引退か、現役続行か…負傷回復次第“緊急進退決定会議”開催へ
井岡は控室でトレーナーらスタッフへ礼を述べ、ジムの後輩を一人一人呼び、気持ちを伝えたという。それは意味深な行動だった。
「たった一つのミス」という言葉が示す悔しさは、5階級制覇をあきらめない現役続行の意思ともとれるが、後輩へのその行動は、引退決意ともとれる。
「負けたら終わりの気持ちでリングに上がっている。結果がすべて」が井岡の持論。ただ「求められるのであれば現役は続ける」とのブレない哲学もある。志成ジム関係者は「井岡の気持ち次第。5階級制覇をあきらめないならそのチャンスを作るサポートを続けたい」という考えで、負傷が回復次第、井岡を呼び、進退決定会議を開くという。
前出の中谷氏は、現役続行にエールを送る。
「この試合は拓真が強すぎた。2度ダウンを喫したが、最後まで逆転を狙い続けたし、もう無理という負け方ではない。確かにスピードは衰えていたが、元々スピードで勝負するタイプではない。体幹は強いが、まだバンタム級へ転級して2戦目で階級の壁を超えるには準備時間が足りなかった。それが耐久性にも影響してダウンを喫した。今後、眼窩底骨折の後遺症が出てこなければ、まだできると思うし続けてもらいたい」
中谷氏も現役時代に、4度眼窩底骨折を負い、2度手術を経験している。井岡と同じ右目だ。
「眼窩底骨折の手術をすると、右目の視界に見えにくくなる角度が出てくる。僕も手術の必要のない眼窩底骨折もやりましたが、その場合は、そういう後遺症は出ないんです。井岡は、プレスとディフェンスと距離感で相手のペースを狂わせ、カウンターを拾い、トータルでポイントを奪っていくタイプ。相性のいい相手次第では、5階級制覇のチャンスはあると思う」
そう続けた。
大橋会長も「2度ダウンをしたのにベテランらしくスピードを変えながら距離を潰してプレッシャーをかけてきた。キャリアがないとあれに巻き込まれて負ける。最終回に一発右のカウンターを打ってきた。一番いいパンチ。4階級王者の片りんを見せていた」と敗れた井岡を評価していた。
現在WBA王者は井岡のジムの後輩である比嘉大吾を相手にドロー防衛をしたアントニオ・バルガス(米国)、WBO王者は武居由樹(大橋)にKO勝利したクリスチャン・メディナ(メキシコ)、IBF王者は、17戦無敗(11KO)のサウスポーのホセ・サラス・レイジェス(メキシコ)。バルガスは6月13日に井上尚弥との来年の対戦計画が進んでいるスーパーフライ級の3団体統一王者、ジェシー“バム”ロドリゲス(米国)と対戦予定だ。
井岡はインスタの最後に「ただ一つお伝えしたい」として、志成ジムのサポートメンバー、スポンサー、ファン、そして「誰よりも近くで寄り添い、日々共に闘ってくれた愛する家族」に謝辞を伝えている。
37歳のレジェンドはどんな決断を下すのだろうか。
(文責・本郷陽一、RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

