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計量をクリアした井上尚弥とノニト・ドネアが2年7か月ぶりに拳を交える(写真・山口裕朗
計量をクリアした井上尚弥とノニト・ドネアが2年7か月ぶりに拳を交える(写真・山口裕朗

今日ゴング!どうなる再戦行方…「本当に100点」まで仕上げた井上尚弥は”レジェンド”ドネアに完全決着をつけれるのか?

 ルールミーティングでは、グローブチェックが行われたが、井上は、プロ入り後、初めて黒のメキシコ製「レイジェス」を使用することになった。

 ドネアは青とオレンジの米国製「エバーラスト」のグローブを選択した。

「いろんなグローブを使って握った感じがいいとフィーリングで決めたみたい。今は、どんなグローブでも差はないよ」と、大橋会長は言うが、レイジェスは、拳の部分のクッションが薄く、パンチの威力が伝わりやすくパンチャーに有利とされる。極端に言えば、ぐにゃぐにゃで柔らかいため手首のスナップが効くのも特徴。井上のKO決着にかける本気度が伝わってくる。エバーラストのグローブもレイジェスに負けじと拳部分が薄い。2年7か月前の第1戦では、持ってきたグローブが合わず、急遽、井上と同じ日本製「ウイニング」を使用するというちょっとしたハプニングがあったが、今回は準備万端である。  また前回の試合とはルールも変わる。3団体のルールがそれぞれ微妙に違うため、特別ルールが採用されることになったが、採点については、WBCルールが採用され、4回、8回終了後に公開される。「Amazonビデオプライムであまりボクシングを知らない人も見てくれるんだからわかりやすい方がいい」と大橋会長は、WBCルールの公開採点を希望していた。

 またインスタントリプレーが採用され、流血があった場合にバッティングか、ヒッティングか、ダウンか、スリップか、ゴング後の加撃など、ジャッジに疑義があった場合、ラウンド間、もしくは試合後に映像が見直される。「基本的にはスーパーバイザー、あるいはレフェリーが指摘する」(IBFスーパーバイザーでJBC顧問の安河内剛氏)という。

 バッティングの判断が問題となった寺地拳四朗と矢吹正道のWBC世界ライトフライ級タイトルマッチの再戦でも採用されていた。疑惑が入り込む余地のない完全決着ルールだ。

 そのインスタントリプレーを要求する権限のあるレフェリーにはマイケル・グリフィン氏(カナダ)が指名された。前回の試合では、11回に井上が左のボディショットで奪ったダウンが、「10カウントだったのではないか」との疑惑のレフェリングがあったが、今回はレフェリーが替えられた。WBC世界バンタム級王者だった山中慎介氏とルイス・ネリの2試合を裁いたレフェリー。

「相手に問題があっただけでレフェリーにはなんの問題もなかった」と、計量チェックに訪れていた山中氏が言う。

 ラウンド間にスポーツドリンクの摂取も可能になった。WBA、IBFでは、水以外の摂取を禁じているが、今回は、両陣営が希望してWBCルールに準じてOKとなった。マラソンの給水と同じで、ラウンド間に電解質の水分を摂取できれば、スタミナ消費をカバーできるし、足が攣るなどのアクシデントも防止できる。

 さて試合予想である。

 2019年11月の第1戦では、互いにトラウマを作った。井上は2ラウンドに伝家の宝刀の左フックを浴びて右目を眼窩底骨折、ドネアは11ラウンドに左のボディショットでヒザをついた。井上のポイントは、その左フックを封じることができるかどうかだろう。

 間違いなくドネアは最初からプレスをかけてくる。年齢を考慮した“省エネボクシング“で無駄な動きはしないが、井上攻略の必須条件が、プレスだと考えている。井上は、プレスを受けて立つのか、それとも動くのか。

 

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