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計量をクリアした井上尚弥とノニト・ドネアが2年7か月ぶりに拳を交える(写真・山口裕朗
計量をクリアした井上尚弥とノニト・ドネアが2年7か月ぶりに拳を交える(写真・山口裕朗

今日ゴング!どうなる再戦行方…「本当に100点」まで仕上げた井上尚弥は”レジェンド”ドネアに完全決着をつけれるのか?

元WBA世界スーパーフライ級王者でボクシング理論に定評のある飯田覚士氏は、「ドネアがプレッシャーをかける理由は井上の手数を減らすのが目的だ。前回の左フックは、フェイントもあったが、井上が一瞬下がってしまったのが、そもそもの原因。今回は、そこのところは頭に入れてアクションを起こすと思う」と予想する。

「井上はガードの上からでもどんどん左ジャブ、ワンツーとパンチを打ち込んでいくことでプレッシャーに対抗するだろう。左対左の勝負になると、よりショートに打てるドネアの左フックが先に当たることになるが、ドネアには、必ず、その左の前に布石となるパンチがある。今回、ドネアが前回と違う工夫をするとすれば、その部分。それを打ちたいがためにプレッシャーをかけて、井上の手数を減らそうとするのだが、おそらく井上は、そこにパンチを合わせる、あるいは打たせないことで左を封じ込んでくるのではないか。右目の視界が消された状況でも、2回以降は、もう左フックは浴びなかった。打たれない距離も把握したんだと思う。私は左フック封じには成功するだろうと見ている」という見立てだ。  その上で、「井上は様子を見ながら慎重に入ると思う。左を軸に手数を出しながら崩しにかかり中盤以降にKOで決めるだろう」と勝敗予想をした。

 その根拠のひとつが、前回の試合では、2回に右目のトラブルがあったため、バランスが崩れて体重を乗せたパンチをほとんど打てなかったことだ。モンスターの性能が半分以下に落とされても、ポイントを稼ぎ、3-0の判定勝利。徐々に修正して11回には左ボディショットで幻の10カウントのダウンを奪った。今回はモンスターの性能がフルに戻って稼働。そこにレイジェスのグローブで異次元とも評されるパンチを炸裂させれば、さすがのドネアも、5階級制覇、4団体すべてのベルトを制覇のキャリアだけでは耐えきれないだろう。

 この日のフェイスオフで、井上は、ドネアの表情を見て、ある決意を感じとったという。

「これがラストマッチのような、意気込みや気迫を感じたので、自分もそれ以上にしっかりと気を引き締めてという気持ちになりました」

 一方のドネアは、井上の印象を聞かれても“我関せず“の姿勢を貫いた。 「リングの中以外で彼がどう見えるかなどは気にならない。井上が何を言っても、何をしても、どう見えても関係ない。僕が気になるのはリングの中にいる井上だけ」

 運命のゴングは午後9時15分の予定。

 井上が、「明日ですね。楽しみです。ドネアも調子良さそうですし、こんなにワクワクする試合は久しぶりなので、明日は思う存分暴れたい。あとはファンの方に見守っていただき、自分は最高の結果を出すだけなので、2年7カ月前の一戦以上の熱い試合を期待して見ていて欲しい」と言えば、ドネアも「とても楽しみだ。超燃えている。ずっと楽しみにしていた試合だ。最高の自分を見せるよ」と負けていなかった。

 世界が注目の再戦は、さいたまスーパーアリーナを埋める1万7000人のファンを「あっ!」と言わせる井上の衝撃KO劇で幕を閉じるだろう。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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