• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • 城氏が2-0勝利の米国戦分析「遠藤と守田が安定感をもたらし2列目で久保と鎌田が連動した。だが南野は苦しい立場に…」
守備でも貢献した久保建英(左)と鎌田大地(右)が互いに流動的にポジションを変えながら連動した(写真:なかしまだいすけ/アフロ)
守備でも貢献した久保建英(左)と鎌田大地(右)が互いに流動的にポジションを変えながら連動した(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

城氏が2-0勝利の米国戦分析「遠藤と守田が安定感をもたらし2列目で久保と鎌田が連動した。だが南野は苦しい立場に…」

 南野は、モナコに移籍して出場機会を失い、直近のゲームでゴールは決めたが厳しい立場に置かれている。ここまで代表でも左サイドで先発起用されてチームが機能したというゲームは少なかった。中山、長友との連動の相性もいいとは言えない。今後、所属チームに戻ってからの使われ方次第だが、ゲーム勘やコンディションを考えると南野は苦しい立場になったのかもしれない。

 2列目の左サイドは、人材不足のポジションではあるが、W杯の初戦のドイツ戦は、前半から相手に主導権を握られることが想定される。守備的に入らざるを得ないので、この日のような守備と、鎌田との連動ができるのであれば、一時はメンバー入りさえ危なかった久保にも先発の可能性が出てきたのではないか。頭は久保で行き、途中から三笘の投入でアクセントをつけるという起用法だ。

 まだ復調できない大迫が不在の状況で、ワントップを誰にするのかも焦点だったが、先発した前田は、そのスピードと豊富な運動量で、前線からプレッシングを重ね、守備の面で存在感を示した。攻撃面では、裏を抜ける一発勝負にタイミングが合わず物足りなかったが、守備重視となる本番のドイツ戦を想定すれば、前田でスタートして前線から追わせ、展開を見て後半に交代するパターンでいいのかもしれない。

 ただ誰に交代するのがベストかは、まだ不透明。

 後半から入った町野に期待を抱きチェックしていたが、アジアのレベルでは通用しても世界のレベルとなるとまだ壁がある。チャンスをものにしたいという気負いもあったのだろうが、“ここにボールが来るだろう”という予測、準備がワンテンポ遅い。体も張れず潰されてしまっていた。メンバーに食い込んでくるのは厳しいだろう。次戦の27日のエクアドル戦では、古橋を起用するのだろうが、W杯本番でも、相手チームや状況によってワントップの人選は、臨機応変に変えていくしかないのかもしれない。   

 また久しぶりの復活となった吉田―冨安のセンターバックコンビには不動の安定感があった。最終ラインは怪我さえなければ不安はない。

 試みた「4-2-3-1」のシフトに手応えをつかめたのも収穫。森保監督は、アジアの戦いからW杯への戦いへとシフトチェンジする中で、守備的に戦えるチームのバランスを考えて試してみたのだろう。日本の選手層から見れば、このシフトがピッタリくる。基本的には「4-3-3」をベースで戦うと見ているのだが、守備的な布陣から攻撃のチャンスをうかがう「4-2-3-1」に違和感なく移行できることは実証した。

 

関連記事一覧