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中日立浪監督が決断したと見られる阿部ー涌井のトレードに賛否の声が巻き起こった(写真・黒田史夫)
中日立浪監督が決断したと見られる阿部ー涌井のトレードに賛否の声が巻き起こった(写真・黒田史夫)

中日阿部と楽天涌井のトレードに賛否?!立浪監督が決断した“星野流”世代交代は正解か、それとも大失敗か…

 しかも、スポーツ各紙の報道によると、楽天の石井監督は「まず中日さんからお話をいただいた。涌井とトレードしてもらえないかという話。その中で阿部選手の話が出た」と明かしており話の発端は中日だったという。
 ことの真相はわからないが、楽天にとってみれば、涌井は欠けたら困るローテー投手ではなく、どちらかと言えば余剰戦力。深刻なテーマだった右の内野手不足を、阿部という最高のピースで埋めることができたのだから、まさに渡りに船の万々歳のトレードとなった。
 阿部を二塁に固定できるので、浅村の一塁へのコンバートを本格化できるし、内野の層が厚くなった。三塁に予定している新外国人の当てが外れた場合も、実績のある阿部でカバーできる。
 一方、中日の涌井獲得の話は、与田剛前監督時代から、しばしば検討されていた。そもそも涌井が2014年に西武からFAでロッテに移籍したのは、西武時代に世話になり、当時ロッテ監督だった伊東勤氏のラブコールに応えたもの。その後、伊東氏が、中日のヘッドコーチに就任したこともあり、ピッチングの安定感や、その野球に向きあう真摯な姿勢が若手へ与える影響力を含め、水面下でトレードの話が燻っていた。その涌井のロッテ時代に投手コーチとして信頼を得ていたのが、現在の落合英二ヘッド兼投手コーチ。落合ヘッドも、伊東氏同様、涌井を高く評価しており、今回の涌井獲得を現場の意見としてプッシュしたことは十分に推測できる。
 中日の先発陣は、大野、柳、高橋宏、小笠原、松葉と揃っているが、「消耗する投手の補強は何枚プラスされてもいい」が球界の常識。
 ただ涌井が2020年にロッテから楽天へ移籍したのは金銭トレード。現在の楽天で涌井が置かれた立場を考慮すると、阿部を差し出さずとも交渉の余地はあっただろう。
 プロ野球界ではしばしば、こういったアンバランスなトレードが起きる。
 前述のセの大物評論家が言う。
「外から見ているだけでは、うかがい知れない理由が時々トレードにはある。立浪監督は、星野監督の薫陶を強く受けている。星野監督は、チームを変革するために、ベテランやチームの顔と言われる選手をバッサリとトレードで放出してきた。立浪監督は、その手法を見てきただけにチームを変革するには、大胆な血の入れ替えが必要だと判断したのかもしれない」
 故・星野仙一氏は大島康徳氏や平野謙氏らチームの主軸だったベテランをトレードで放出してチームの空気を変えた。阪神監督時代には、20人を超える大量の世代交代を断行した。そういう星野イズムを見てきた立浪監督は、最下位に終わったチームの再建には、思い切った選手の入れ替えが必要だと感じたのかもしれない。現時点では批判的な声が大きいが、トレードの成否の答えは、来年のチーム成績次第。立浪竜は、阿部不在が話題にならないようなビッグウエーブを起こすしかない。
(文責・RONSPO編集部)

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