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前WBO世界バンタム級王者カシメロ(右)と赤穂(左)の注目のノンタイトル戦は無効試合の裁定がカシメロKO勝利に変更された(写真提供・ボクシングモバイル)
前WBO世界バンタム級王者カシメロ(右)と赤穂(左)の注目のノンタイトル戦は無効試合の裁定がカシメロKO勝利に変更された(写真提供・ボクシングモバイル)

なぜ “問題児“カシメロと赤穂亮との世界前哨戦は“反則パンチ”による無効試合となったのか…熱望する井上尚弥戦がまたまた遠のく?!

 一方のカシメロは、昨年8月にWBA世界バンタム級のレギュラー王者だったギレルモ・リゴンドー(キューバ)と“塩試合”をして辛くも2-1の判定で勝利して以来、1年4か月ぶりのリングだった。その階級をひとつ上げたスーパーバンタム級での復活アピールに失敗した。
「オレが勝ったと思っている」
 その言葉に誇張はない試合内容ではあった。しかし、世界的に無名の赤穂を相手に無効試合では、この1年で急降下した市場価値を取り戻すことはできない。
 昨年12月には、当時保持していたWBO世界バンタム級王座の防衛戦を13日に3団体統一王者の井上尚弥(29、大橋)と4団体統一戦を戦う現王者のポール・バトラー(30、英)と行う予定だったが、計量をキャンセル、試合は中止になった。 
 ウィルス性の胃腸炎だったという診断書をWBOに提出して、タイトル剥奪は回避したが、さらに迷走は続き、今年4月に再度セットされたバトラー戦では、英国ボクシング管理委員会が医療ガイドラインで禁止しているサウナを使っての減量を行っていたことが発覚して、試合が認められず、その後、WBOタイトルを剥奪されるなど“問題児“としてレッテルを貼られていた。スーパーバンタム級に上げたことで、懸念された前日計量はクリアしたが、今度は、リング内で問題を起こした。
 2020年4月に米国で井上尚弥とのタイトル戦が決まっていたが、新型コロナの影響で中止となり、その後、SNSなどで挑発を続け、今回も「赤穂に勝ったら次は井上尚弥とやりたい。でもいつも逃げられている」と、再度井上戦を熱望。「バンタム級でもスーパーバンタム級でも戦える」と豪語していたが、この日は、インタビューで「井上」の2文字は出てこなかった。
 今後の方向性を問われ、「マネージャーと相談して決めることだが、トレーニングは続ける、次の試合に備える」と答えるに留まった。
 井上からすれば、もうカシメロは眼中にないボクサーで、昨今は取材時にその名前は一切出てこない。井上は、バトラーに勝ち、バンタム級の4団体統一を果たすと、スーパーバンタム級へ転級予定で、カシメロが、井上の関心を引くには、スーパーバンタム級の4つの世界ベルトのうちのひとつを手にするしか対戦の可能性はないだろう。
 まさかの無効試合で終わった韓国での注目の一戦は、本当の意味で勝者無きノンタイトル戦だった。
(文責・RONSPO編集部)

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