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衝撃のスペイン戦から一夜明けて取材に応じた森保監督が決勝T初戦クロアチア戦に向けて情報戦を仕掛けた?(写真・日本サッカー協会提供)
衝撃のスペイン戦から一夜明けて取材に応じた森保監督が決勝T初戦クロアチア戦に向けて情報戦を仕掛けた?(写真・日本サッカー協会提供)

クロアチア戦で炸裂する“森保マジック”とは…指揮官が情報戦を仕掛けた?!「4バックか、3バックか…考えている」

 FIFAワールドカップ・カタール大会のグループE最終戦で、強豪スペイン代表を撃破。堂々の1位で決勝トーナメント進出を決めた日本代表の森保一監督(54)が、一夜明けた2日(日本時間3日未明)にドーハ市内の練習拠点で取材に応じた。史上初のベスト8進出がかかる5日(同6日未明)のクロアチア代表とのラウンド16へ、先発システムを「4バックか3バックかで、ちょうど考えている」と悩んでいることを明かし、指揮官の正直な質疑応答は一種の情報戦と化して、前回準優勝のクロアチアを困惑させそうだ。

 

 グループステージ初戦のドイツに続いて、最終戦のスペインも逆転で撃破。2つのW杯優勝経験国と同居する “死の組”で堂々の1位突破を果たし、初戦以上に世界を驚かせてから一夜明けた2日を日本は完全休養にあて、宿泊しているドーハ市内のホテルで静養に努めた。
 そのなかで森保監督は同市内の練習拠点で、メディアの囲み取材に応じた。50分あまりにおよんだ質疑応答の冒頭では、日本サッカー界が悲願としてきたベスト8進出をかけて、5日(同6日未明)のラウンド16で対戦するクロアチアの印象をこう語っている。
「選手個々の素晴らしい能力を組織力として発揮しながら非常に柔軟に、かつ粘り強く戦えるチームだと思います。戦うメンタリティーという部分においては、日本人のそれと似ている、と思わせるような試合を今大会でもしています。われわれのこれまでのチーム作りのなかでも、クロアチアが前回ロシア大会で見せた戦い方を参考にしている部分があります」
 その前回ロシア大会で、クロアチアは快進撃を演じて決勝へ進出。最後はフランスに2―4で屈したものの、初出場だった1998年フランス大会の3位を上回る準優勝に輝いた。
 ナイジェリア、アルゼンチン、アイスランドと同組になったグループDを全勝で突破。デンマークとのラウンド16、ロシアとの準々決勝、イングランドとの準決勝をすべて延長戦で、そのうち2つはPK戦を制するなど、サッカーファンの琴線に触れる戦いの軌跡を刻んだ。
 伝統としてきた[4-3-3]システムは今大会も引き継がれている。
 特に中盤はアンカーのマルセロ・ブロゾビッチ(30、インテル)とインサイドハーフのマテオ・コヴァチッチ(28、チェルシー)、そして4年前にバロンドールに輝いたルカ・モドリッチ(37、レアル・マドリード)がグループステージの全3試合に先発。テクニックと高度な戦術眼に力強さも融合させた、ワールドクラスのコンビネーションを発揮している。
 日本が前夜に対戦したスペインも、中盤にアンカーを置く[4-3-3]システムを長く伝統としてきた。そして、足元の技術とボールポゼッションに長けたスペインへの対策として、森保監督は最終ラインを4バックから3バックへスイッチ。さらに左右のウイングバックも下げた[5-4-1]システムでブロックを形成する戦法で、前半のキックオフへ臨んだ。
 まったく同じ戦い方ではないものの、クロアチアもポゼッションを志向する。注目される日本の先発システムについて、指揮官は質疑応答のなかで「4バックか3バックかで、ちょうど考えている」と現状を明かし、さらに次のような言葉を紡いでいる。
「基本的に4バックでチーム作りをしてきて、状況に合わせて3バックも使おうと今回のW杯へ向けて準備をしてきました。実際に試合へ臨む上で、3バックで戦う選択肢が特にこの3試合では必要となり、システムを試合途中から変えるとか、スタートから3バックで戦ってきました。次に関しても目の前の相手とどのように戦うか、という点でベストのシステムを考えていきたい」

 

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