青学大の5区“山”に抜擢された1年生の若林宏樹も力走した(写真:松尾/アフロスポーツ/日本スポーツプレス協会)
青学大の5区“山”に抜擢された1年生の若林宏樹も力走した(写真:松尾/アフロスポーツ/日本スポーツプレス協会)

箱根駅伝往路をパワフルに制した青学大は“意味深ツイート戦略”で復路も逃げ切れるのか?

 では他の往路V候補はどうだったのか。

駒大は5区金子伊吹(2年)が区間4位と大健闘するも、当日変更した3区と4区がうまくいかなかった。大八木弘明監督が悩みながらも起用した3区安原が区間16位に沈み、4区花尾も区間9位とふるわなかった。

 出雲駅伝を制した東京国際大は2区で区間記録を持つイェゴン・ヴィンセント(3年)が本領を発揮できなかった。5km過ぎに左足首から外側の甲にかけて痛みが発生したため、意図的にペースを落としたことで、1時間7分02秒の区間5位。予定より1分半ほどマイナスになったことはレース全体の行方を左右したといえるかもしれない。

 前回往路Vの創価大は3区桑田大輔(2年)が区間17位と低迷。前回区間2位の5区三上雄太(4年)も区間12位と伸びず、往路を8位で折り返すことになった。

   青学大は5時間22分06秒で2年ぶり5度目の往路優勝。ライバル校の計算が狂ったなかで、ほぼパーフェクトのレースを披露した。後続とは過去最高の2位に食い込んだ帝京大と2分37秒差、ライバルの駒大とは3分28秒差。駒大・大八木監督は「3分28秒差は厳しいですが、箱根駅伝は何が起こるかわからない。7区以降で少しずつ近づいていきたい」と話すのが精一杯だった。

 往路3位の駒大、同4位の國學院大、同5位の順大、同6位の中大は復路にも好選手を残しているが、青学大に“大ブレーキ”がない限り、追いつくのは現実的ではない。青学大の復路戦力を考えると“セーフティリード”といえるだろう。

「私どもは登録16人全員が10000m28分台の選手です。全員いい状態ですし、出走する5人を信頼してます。1人ひとりが攻めのレースをして、往路に続いて、復路も勝って、完全優勝で6度目の総合優勝を目指していきたい」(原監督)

 原晋監督はスタート前に自身のツイッターに、1区志貴のユニフォームとともにフレッシュグリーンのタスキの写真を投稿。タスキの裏に選手の“出走メンバー”の名前が書きこまれていたことがSNSで話題になっている。そこには志貴勇斗、近藤幸太郎、太田蒼生、飯田貴之、若林宏樹。往路を走った5人の後に、高橋勇輝(4年)、岸本大紀(3年)、佐藤一世(2年)、中村唯翔(3年)、中倉啓敦(3年)と続いていたからだ。

 

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