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FW大量放出の浦和レッズは本当にタイトル獲得の目標を達成できるのか…補強の目玉はFW興梠慎三の復帰だけ

 年末には2021年6月の加入以来、FWやトップ下を務めてきた江坂が韓国Kリーグ王者の蔚山現代FCへ完全移籍した。年明けの4日には、昨シーズンはジュビロ磐田へ期限付き移籍していた元日本代表FWの杉本健勇(30)が完全移籍へ移行した。
 新体制が発表される前日の5日には、2021年4月の加入以来、公式戦で27ゴールをあげたユンカーの名古屋グランパスへの期限付き移籍が発表された。
 ピッチに立てば仕事を完遂してきたユンカーだが、怪我で離脱するケースも多く、昨シーズンのリーグ戦では34試合のうち出場21試合。そのうち先発は14試合に、プレー時間は1100分とフル出場した場合の3060分の約36%にとどまっていた。
 それでもチーム2位の7ゴールをあげた決定力を惜しむ声は多く、ツイッター上では5日に「FW不足」が、6日には「ユンカー」がトレンド入りしている。
 母国ポーランドの9つのクラブやサウジアラビアのクラブ、そしてU-23UAE代表監督を歴任してきたスコルジャ監督は、目指すサッカーをこう説明している。
「浦和レッズで私が変えたいと思っているポイントのひとつに、ハイプレスを増やしたい、というところがある。ボールを失ったらできるだけ早く取り返す、できれば相手のペナルティーエリアの近くで取り返したい。メンタルとフィジカルのところが非常に重要となる。この部分がなければ、私の哲学や戦術は浸透していかないと思っている」
 こうしたスタイルに照らし合わせた上で、故障を繰り返すユンカーが新指揮官の構想から外れたと見ていいだろう。さらに昨シーズンから引き続きプレーする2人の外国人FW、ブライアン・リンセン(32)とアレックス・シャルク(30)への期待もある。
 特に昨年6月に加入したリンセンは、デビュー戦だった7月のパリ・サンジェルマン(フランス)との国際親善試合で負傷退場。右ハムストリングの肉離れで長期離脱を余儀なくされ、J1リーグ戦ではわずか3試合、プレー時間159分で無得点に終わり、母国のオランダ・エールディヴィジで通算106ゴールをマークした実力を発揮できなかった。
 新戦力のFW高橋利樹は地元・さいたま市出身の24歳。埼玉栄高から国士舘大をへてロアッソ熊本に加入し、初めてJ2に挑んだ昨シーズンに14ゴールをマークした。身長182cm体重76kgとサイズもあり、前線からのプレスにも労を厭わない。
 リンセンの覚醒や高橋の可能性に、興梠の濃密な経験も期待値として加わる。
2013シーズンから9年間所属した浦和で109ゴールをマークしている異能のストライカーは、愛着深いクラブへ1年で復帰した胸中をこう語っている。
「ここにいる土田さんと何度も話をして、結果的に僕のわがままで札幌に期限付き移籍という形で行かせてもらいました。簡単には浦和レッズに戻ってこられないことはわかっていたので、なるべく試合に出て活躍して、成長した自分をもう一度みなさんに披露したいと思っていたのですが、怪我もあって思うような結果は出せませんでした。こんな僕ですけど、土田さんや浦和レッズ関係者のみなさんが僕を戻してくれた。感謝の気持ちでいっぱいです」

 

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