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引退会見で村田諒太が4月8日デビュー帝拳ジムの後輩の那須川天心から花束をもらう
引退会見で村田諒太が4月8日デビュー帝拳ジムの後輩の那須川天心から花束をもらう

引退した村田諒太はボクシング界に何を残し彼は第二の人生で何をするのか…海外活動?政治家?学者?起業?スポーツキャスター?

 気になるのは村田の“今後”だ。
 彼は、この1年、そのことばかりを考えていた。
「未来の子供たち社会全体にどういったことができるかが課せられた仕事。これからのキャリアをしっかりと作って競技だけが人生じゃないことを示すことによってアスリートのロールモデルになることに自分自身の存在価値がある。目指すべき未来がそこにある」
 村田は大学生の頃に人生の目標ノートをつけていた。
 五輪の金メダル、そして「夢のような目標」として書いたのが「ラスベガスでの世界戦で10億円を稼ぐ」という目標だった。彼は敗れはしたが、ラスベガスで世界戦の防衛戦を行い、ゴロフキン戦では、日本人史上最高額となる5億円のファイトマネーを手にした。プロ19戦での総額で言えば10億円を突破しただろう。
――この先の人生ノートの目標に何を書く?
 「まだ見つかっていないですね」
 村田は、父から贈られた“人生のバイブル”とも言えるビクトール・フランクル著の世界的ベストセラー「夜と霧」の一説を口にした。
「人生に意味を求めるのではなく人生からの問いにどう答えるか」
 そして「目標達成も大事かもしれないが、現実に37年生きてきた中で考えると、瞬間、瞬間を積み重ねた結果として何かが残る。神様の試練に応える積み重ねだと思う。だから今の僕にはノートは必要ない」
 本田会長は、「日本ではお疲れさんだけど、海外では引退選手におめでとうと言うんだ。まさにその言葉を彼に送りたい。これまでも断ってきた仕事のオファーがたくさんあった。ボクシングをやっているのがもったいない男。世界王者になるより難しいことはないよ」と、村田の第二の人生に、なんら不安がないことを強調した。
 目の前にはいくつもの選択肢が広がっている。
 そのひとつが世界へ活動の場を広げることだ。英語はすでに達者だが、ビジネスで通用するくらいの英語力を身につけたいと、昨年から日に3、4時間の勉強を続けてきた。NHK・BSの世界のまだ知られていない格闘技を紹介するという番組企画で、2月にはアフリカのセネガルを訪問。人生観が変わるようなカルチャーショックを受けた。
 息子が留学予定のマレーシアも候補のひとつだろう。
「より良い社会とより良い未来を作りたい」との思いに重なるのは政治家、指導者、教育者の姿だ。
「政治家とか1対1で教える指導者は向かない」
 そもそも村田にその気はないが、実際、水面下では政治家転身の打診もあった。また将来的には、鈴木大地氏や室伏広治氏らのオリンピアンが務めているスポーツ庁長官を目指すべきとの声も、日本ボクシングコミッショナーも、村田のような人材に任すべきとの意見もある。本人がなろうとしてなれるポジションではないが、彼の持つ才能と行動力、そして抜群の知名度と、発信力を考えると可能性はゼロではない。
 昨年末で所属していた電通の系列会社を退社。現在はテレビ、芸能関係の窓口はないが、以前はスポーツキャスターの話もあった。あのルックスに明晰な頭脳と知識。テレビ局も放っておかないだろう。

 

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