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ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)
ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)

7.25有明でロンドン五輪銅メダリストの清水聡が世界初挑戦…37歳の“ダイヤモンドレフト”は五輪連続金メダルの最強王者に勝てるのか?

 ラミレスは初防衛戦となるが、その実力から現時点での予想をすれば清水が圧倒的に不利だろう。
 清水と同じくサウスポーで、スピードとテクニックに優れており、非常に身体能力が高い。ガードをしっかりと固めたディフェンス体勢から隙を伺い、長短のアッパーや左ストレート、左右フックなどのカウンターをヒットさせ、相手が引くと攻撃に転じて強打を振りまわす。
 ステップワークに加え反射神経が抜群でブロックと上体の反応をミックスした高度なディフェンスを駆使してくるのでパンチを当てるのは簡単ではない。つかまえることに苦労すると、ポイントをどんどん加算されていく。
 某元世界王者は「もし清水が世界を奪取すれば奇跡が起きたと言っていいかもしれません」と筆者に予想した。
 だが、清水は、「素晴らしいテクニック、スピードのある選手だが、プロとアマでは土俵が違う。自分が優れているところも相手が優れているところもあるが、勝機は十分にある」と自信を口にした。
 マッチメイクした大橋会長も「身長差がある。左ストレート、右フックとパンチ力の差で勝機をみいだせる」と断言する。

 身長は、清水が181センチでラミレスは165センチ。そのフレームの違いは大きな武器だ。
「手は長いが、下からの攻撃に注意すれば、ロングの距離は自分の方がリーチはある。そこを生かしていく」と清水も言う。
 テクニック勝負のボクシングには付き合わず、清水がラミレスよりも上回っているパワーとスタミナで押し込み“ダイヤモンドレフト”が一発でも当たれば、そこにチャンスは出てくるだろう。松本好二トレーナーも「接近戦に持ち込みたい」という。
 また王座を獲得したドグエボ戦では、左アッパーでダウンを奪っているが、スリップ気味のダウンで、パンチ力に関しては「ある」「ない」と諸説ある。「速いが、その分、大振り。パンチ力に自信がないから大振りになるのか」。それが清水の見立て。大振りになれば、そこにカウンターを狙うことのできる死角が生まれる。
「弱点は見抜いている。それで五輪も勝ってきた。見抜くのは得意な方。そこをついていきたい」
 すでにドグエボ戦も映像で徹底研究しているが「もっと戦略を違う形でやっていれば(勝てたのに)と思った。ヒントはあった」という。

 

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