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ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)
ロンドン五輪銅メダルの清水聡の世界初挑戦が決まった。同日のW世界戦でメインを戦う井上尚弥と健闘を誓い合った(写真・山口裕朗)

7.25有明でロンドン五輪銅メダリストの清水聡が世界初挑戦…37歳の“ダイヤモンドレフト”は五輪連続金メダルの最強王者に勝てるのか?

 世界獲りへの力強いサポート軍団も形成される。
 ロンドン五輪を共に戦った須佐氏と鈴木氏が特別コーチとして招聘されることになったのだ。須佐氏は、4月8日にWBA世界バンタム級王者となった井上拓真の特別コーチも務め世界ベルト奪取をバックアップした。しかも、須佐氏は、ロンドン五輪でラミレスと対戦経験がある。判定で敗れたが、直接、拳を交え、その長所も短所も知り尽くしている。あれから11年が経過したが、変わらぬ癖はある。
「すでにヒントを結構もらっている」と清水。ラミレスは長いリーチを生かしてボディまでをがっちりとガードで固めて、ディフェンスに回る時間が長いが、その際、どこに隙が生まれるかなどの話を聞いたという。
 そのロンドン五輪を共に戦い、世界王座奪取で先を越された同い年の村田が、この3月に引退を正式に表明した。
「同年代のボクサーがどんどん辞めていって寂しいが、僕は僕」との思いがある。「それは終わってから考えること」と、多くを語らなかったが、年齢的に考えても、これが最初で最後の世界挑戦になるという強い覚悟が、清水の心中にある。
 37歳という年齢から「疲れが取れにくくなった」との実感はあるが、ストレッチやハリやマッサージなどのリカバリーに時間をかけて解決。ここまで根気強く階段上りなどの通称“野木トレ”やパーソナルトレーニングを続けており、「体力的には落ちていない。体幹トレでまだ筋肉は増やせる」と不安はない。
「銅(メダリストの自分)が金(メダリストの王者)の上に行けるように。自信度?今は80%くらい。これを徐々に上げていく」
 そうも語ったが、得意の軽快なトークもなく、発言はいつになく慎重だった。公式会見の後の囲み取材で、「ダイヤモンドレフト炸裂のKO宣言が出なかったね?」と聞いてみる。
「うーん。KO、KOって言ってもよくない。あまり言うと精神的に弱いんで(笑)。あえて言わない。相手の有利になる話もあまりできない。でも勝ちますよ」
 人生をかけた本気モードだからこうなる。
 37歳4か月での世界ベルト初獲得となれば、35歳でWBC世界フェザー級王座を初奪取した越本隆志氏、35歳9カ月でWBC世界スーパーバンタム級王座に返り咲いた長谷川穂積氏、36歳1か月でWBA世界スーパーフェザー級スーパー王座を防衛した内山高志氏らのいずれの最年長記録をも抜く日本人男子ボクサーの最年長記録となる。
(文責・本郷陽一/RONSPO、スポーツタイムズ通信社)

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