「わずか2mで歴史的快挙逃す」米メディアも大谷翔平が逃した先発投手のサイクル安打達成を悔やむ…エ軍捕手は「打球音は完璧ではなかったが入るかもしれないと思った」
エンゼルスの大谷翔平(28)が27日(日本時間28日)、本拠地のアスレチックス戦に「3番・投手兼DH」で先発出場し、投手としては6回で2本塁打を浴び5失点したが、打者としては、内野安打、二塁打、三塁打と続けてサイクル安打に王手をかけ、8回の第5打席にセンターへ大飛球を放ったが、わずか7フィート(約2.13メートル)届かず、史上初となる先発投手によるサイクル安打達成は幻に終わった。チームは5回に勝ち越して8-7でアスレチックスを下し大谷に4勝目がついた。米メディアは、大谷が逃した歴史的快挙を一斉に悔しがった。
「彼の臀部が少しばかり強く回りすぎたためバットの芯を外す」
エンゼルスタジアムの興奮が最高潮となったのが8回だ。
MLB史上初となる先発投手によるサイクル安打達成の偉業に王手をかけた大谷が打席に入った。1回の第1打席はバットを折りながらも内野安打で出塁。3回一死一、三塁の第2打席は、反対方向を狙い打ち、左中間を破るタイムリー二塁打、6回の第4打席には、右中間のフェンス際に高々と上がった打球にライトのコナー・カペルは追いついていたが、捕球することができずに三塁打となり、歴史的大記録達成に残るは、本塁打だけとなって8回一死一、二塁で、第5打席が回ってきたのである。
マウンド上には、大谷の打席で替わった中継ぎ左腕のリチャード・ラブレディ。大谷は、その初球のスライダーを思い切り振り抜いた。打球は31度の角度で、右中間スタンドへ向かって舞い上がる。大谷は、その場を動かずに打球の行方を追った。
「バットの先。行ったとは思わなかった」そうだが、場内のファンは総立ち。やがてゆっくりと走り出したが、夢を乗せた打球は、369フィート(約120.7メートル)のフェンスの手前で、センターのエステウリ・ルイーズが走りながら伸ばしたグラブに納まり、そのままフェンスにぶつかった。あと7フィート(約2.13メートル)で大記録を逃した大谷は、一塁ベースを蹴って、しばらくセンターフェンス方向を見つめていた。大谷は、すでに2019年6月13日の敵地でのレイズ戦で一度サイクル安打を達成しているが、この時は「3番・DH」での出場でリアル二刀流ではなかった。
米メディアも約2メートル届かずに逃した大記録を一斉に悔しがった。
米ESPNは、「大谷が歴史的サイクル安打達成にわずか数フィート及ばず」との見出しを取り、「多くの面で難しい午後に大谷は過去に先例のない大記録達成の直前まで来ていたが、わずか数フィートで逃した」と記し、歴史的大記録が惜しくも幻に終わったことを伝えた。
記事は、「大谷に木曜日の8回、野球史上初めて先発投手としてサイクル安打を達成する選手になるチャンスがもたらされた。彼は、初球をセンター深くに打ち返し、まばらなエンゼルスタジアムの観衆を立ち上がらせたが、中堅手ルイーズがフェンスにぶつかる直前に捕球した。その打球は389フィート(約118.6メートル)でアウトとなった。大谷は中継ぎ左腕ラブレディのスライダーを待っていた。ホームベース半分より、内寄りに入った初球を捕らえたが、彼の臀部が少しばかり強く回りすぎたためにバットの芯で捉えきれなかった」と、その瞬間を分析した。
同メディアによると、大谷とコンビを組むエンゼルスの捕手のチャド・ウォーラックは「完璧な打球音ではなかった。それでも入るかもしれないと思った」と語ったという。