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平本蓮は元RIZINフェザー級王者の斎藤裕に1-2の判定負け。テイクダウンディフェンスに追われ得意の打撃戦に持ち込めなかった(写真・RIZIN FF)
平本蓮は元RIZINフェザー級王者の斎藤裕に1-2の判定負け。テイクダウンディフェンスに追われ得意の打撃戦に持ち込めなかった(写真・RIZIN FF)

なぜRIZINで朝倉未来は牛久絢太郎をKOできず平本蓮は斎藤裕に惜敗したのか…SNSで話題沸騰の朝倉ー平本戦の実現可能性は?

 榊原CEOは、平本の惜敗の理由を的確に表現した。
「平本が勝つには、スタンドの局面でもっと手数を出すべきだったと思う」
 一方で平本はMMA5戦目としては目をみはる進歩は見せた。
 朝倉までが珍しく「テイクダウンディフェンスができるようになっていた。結構やるな、急成長しているなと思った」と褒めた。だが一方で「斎藤選手よりもさらにテイクダウン能力の高い人もいる。テイクダウンディフェンスに偏っているから打撃の持ち味が発揮できなかった。まだまだ(強くなるのに)時間がかかると思う」とも言った。それも正論だろう。

 その朝倉も公約のKO決着を果たせなかった。
 試合後のインタビューでは、開口一番「KOしたかったが、それができなくて残念」と悔しさを隠さなかった。
「今日は勝ったようで勝っていない。したい試合ができなかった」
 ほとんどの時間をグラウンドでの膠着戦に費やしたが、最後に見せ場は作った。3ラウンド。「ニヤッ」と笑い、「打ち合いは楽しい」と殴り合いを求めて挑発したのである。牛久もガードを固めて打ち合う素振りを見せたが「来いよ!」と言った次の瞬間に片足タックルを仕掛けられ「詐欺師」と苦笑いした。2ラウンドには、強烈な左のボディショットをまともにめりこませて、左膝も決めていて、文句なしの3-0判定勝利。
「2ラウンドKO」の有言実行はできなかったが、メイウェザー戦で自信をつけた打撃は、さらにスケールアップしていた。
 朝倉が、理想のKO決着に持ち込めなかった理由は、牛久が毎ラウンド繰り出した謎の引き込みである。朝倉も「よくわからなかった。三角を狙ったのか。あれはクレベルだからできたこと。僕もそこまで寝技は弱くはないので、あれはナンセンス」と批判。控室で映像を見ていた平本も「なんで引き込んだのか作戦がわからない。下から(の攻撃に)自信があったのか。普通にMMAをやった方がよかった」と指摘した。
 牛久が、その意図を明かす。
「(朝倉は)体が大きくて打撃の決定力が高いので足を使い、引き込むことで疲れさせたかった。練習では三角が決まっていた。決める自信があったし、対応するだけで力を使うので」
 3年前の東京ドーム決戦で現RIZINフェザー級王者のクレベル・コイケは、朝倉を三角絞めで落としたが、牛久は三角絞めを狙うよりも、むしろ、スタミナ消耗にシフトしたのか、手足をクラッチしてパスガードする時間の方が長かった。
「熱く冷静というか…変に動かず。体を起こしてパウンドを狙ってくれば、アクションも起こせたが、朝倉選手は上手かった」
 朝倉も逆らわず無駄な消耗を避けるクレバーさを見せた。牛久は、2ラウンドには、秘密兵器のバッグエルボーも2発出したが、それもすべて距離とガードで潰されて不発に終わっている。

 

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