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なぜ阪神“サトテル“は母の日に3ラン&満塁弾と“大爆発”したのか…岡田監督が指摘した一塁ゴロ凡退に見えていた兆候とは?

 阪神が14日、甲子園で行われた横浜DeNA戦に15対7で完勝、4連勝で単独首位に躍り出た。21安打の猛攻のゲームを決めたのは先制3ラン&ダメ押し満塁弾で7打点を稼いだ5番打者の佐藤輝明(24)だ。1試合の自己最多打点を更新して、打点部門ではヤクルトの村上宗隆(23)、横浜DeNAの宮崎敏郎(34)に並んでリーグのトップに立った。なぜ“サトテル“は母の日に“大爆発”したのか。

 お立ち台で「最高です」を4連発

 

母の日の甲子園に“サトテル“の「最高です」の声が4度こだました。
 首位の横浜DeNAに3タテを食らわせた立役者は、豪快に明るい3年目の5番打者だった。
 衝撃の“サトテル劇場”は1回から始まった。
 二死一、二塁の先制機。ピンクのバットで打席に入った佐藤はボールが見えていた。簡単に2ストライクと追い込まれたが、平良が投じた高めの釣り球にバットが出かかったものの止まり、5球目の際どい外角ストレートも見逃した。さらに低めのゾーンに落としてきたシンカーにも手を出さず、フルカウントにしての7球目。甘く入ってきたスライダーをしっかりとためてすくい上げるようにしてバットに乗せた。雨の甲子園に快音が響き、打球は先制の6号3ランとなって虎党の待つライトスタンドへと飛び込んだ。
 甲子園を騒然とさせたのは4回だ。
 横浜DeNAの宮崎、牧の本塁打攻勢で3回に逆転されていたが、近本の同点タイムリー、二死から大山が押し出しの四球を選んで5-4と勝ち越したその直後。さらに二死満塁と続くチャンスに2番手の三嶋が投じた初球だった。
「初球から打ちにいく準備ができていた」という佐藤は、146キロのど真ん中のストレートを見逃さない。「四球の後の初球狙い」は、配球の読みの鉄則。佐藤はストライクを取りにくるところを狙っていた。
 その瞬間、甲子園の時間が止まったようだった。佐藤は“確信歩き”。打球速度171キロ、飛距離136メートルとスコアボードに表示された“モノ凄い打球”が、雨で左打者泣かせの浜風が止んでいた右中間スタンドに消えた。ゆっくりとダイヤモンドを一周した佐藤は、「お母さんいつもありがとう」の感謝の気持ちを込めて、両手を天に突き出した。試合後、岡田監督は、「アレで決まったようなもん」と絶賛。
「まだちょっと内容的に悪い打席はあるが、3回に1回、ヒットを打てばいいというか、これがバッターの宿命。そういう意味ではすごく調子が上がってきていると思う」と独特の表現で“サトテル“の覚醒を認めた。
 満塁本塁打はプロ入り2本目で、初めて4番に座った2021年5月2日の広島戦(甲子園)で野村祐輔(33)から打って以来となる。

 なぜ佐藤は大爆発したのか。 
 スポーツ各紙の報道によると、試合後、岡田監督は、5号ソロアーチを放った12日の横浜DeNA戦の最終打席での一塁ゴロが予兆になったという話をしたという。
「ポイントがよくなって前で捉えられているからファーストゴロになるんよ」
 昨秋のキャンプから岡田監督が佐藤に求めた打撃改造は、ボールの前さばきだ。
「56本塁打の村上もボールを前でさばいている。ホームラン打者はみんなそうよ」という話をしていた。そして「バッティングはタイミング」とも強調した。
 だが、佐藤の試行錯誤は続いた。キャンプからオープン戦を通じて、調子の波が激しく開幕を迎えても、打率1割台と低迷し、11試合目となる4月13日の巨人戦、14日の横浜DeNA戦ではスタメンを外された。
 岡田監督は、意識を変えるワンポイントアドバイスを2つした。
「インコースは捨てよ」
「一塁側に打球を引っ張れ」
 シンプルに2つだ。岡田監督の前政権時代にチーフスコアラーを務めていた三宅博氏が、そのアドバイスの効果を解説する。

 

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