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虎の開幕投手を務めた青柳が左打者を9人並べた広島を相手に5回7失点。岡田監督は2軍落ちを示唆した(写真は資料)
虎の開幕投手を務めた青柳が左打者を9人並べた広島を相手に5回7失点。岡田監督は2軍落ちを示唆した(写真は資料)

なぜ虎の”開幕投手”青柳は不振を脱出できず2軍落ち濃厚となったのか…左打者を9人並べた広島に攻略され5回7失点と“炎上”

 オープン戦では、左打者のアウトコースへボールが流れ、ストライクが取れなくなった。投球フォームに下半身の粘りがなくなっていた。
 開幕前に岡田監督は、青柳と“青空会談”を持ち、問題点を指摘。青柳も助言を元に対策を練って2勝はマークしているが、立ち上がりに制球が乱れる課題を完璧には修正しきれず、ボールが先行しストライクを取りにいくところを狙われるというパターンを繰り返した。
 この日は、カウント負けすることを怖がったのか、ストライクをまとめすぎた。タイムリーの4本は、いずれも初球を狙い打ちされたもの。ボールから入る余裕がなかったのだ。微妙な投手心理が生む負の連鎖である。
 左打者に対しては、アウトコースのボールゾーンに逃げるツーシーム、シンカーがウイニングショットだが、インサイドに見せておかねばならないストレート、インサイドへのスライダー、アウトコースのボールゾーンからストライクに入れてくる「バッグドア」をほとんど使えなかった。つまりストライクゾーンに幅がない。右打者の被打率は.217だが、左打者の被打率は.302に跳ね上がった。
 ライバル球団のスコアラーは、「インサイドと外に投げ分けていたスライダーがほぼないので、左打者はストライクゾーンにくるストレート系(ツーシーム)とシンカーにだけ的を絞っていればよかった。右打者だとそうはいかないが、左打者を並べた広島の攻略がはまった。しかも、バットの芯を外すボールのキレも欠けていた。配球の見直しだけで対応できる問題ではないのかもしれない」という見方をしていた。
 開幕投手が、5月戦線に2軍落ちとなると大きな誤算だが、“アレ”を狙うためには、なくてはならない戦力である。岡田監督が、ここまで打たれても、打たれても、我慢してできるだけ長いイニングの起用を続けてきたのも先を見据えてのものだった。
 この4年間、フルにローテーを守り、この2年は24試合以上、150イニング以上の投球を続けてきた“勤続疲労”を指摘する声もある。
 岡田監督も10日間で戻ってこいとは考えていないだろう。
 ファームでまず疲労を抜き、頭の中と肉体をリフレッシュ。もう一度、キャンプをやり直すくらいの時間をかけて、各種のデータを分析し、投球フォームを見直して、土台から作り直す作業が必要になる。
 岡田監督は、遠慮せずに“毒舌”を吐いたようだが、青柳の復調を誰よりも心待ちにしているのが、指揮官なのだ。

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