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得点王&MVPのセルティック古橋亨梧が4年契約でチームに残留が決まった(写真:ロイター/アフロ)
得点王&MVPのセルティック古橋亨梧が4年契約でチームに残留が決まった(写真:ロイター/アフロ)

なぜセルティック古橋亨梧のビッグクラブ移籍は実現しなかったのか…新たに4年契約…高すぎた移籍金

 ファン・サポーターからの人気も高いエースストライカーに対して、セルティックは実に2500万ポンド(約46億円)もの移籍金を設定。特に熱心だったバーンリーに手が出せる金額ではなく、ビッグ6の一角を占めるトッテナムも最終的には動かなかった。
 ポルトガルやオランダ、ベルギー、オーストリア、スイスなど、ヨーロッパの5大リーグに次ぐセカンドグループにつけるリーグに所属するチームは、結果を残した20代前半の選手たちを積極的にステップアップさせる。一部の例外選手を除いて常識的な範囲内で設定される移籍金収入を、次の世代を獲得する原資に充てるサイクルが確立されているからだ。
 対照的にセルティックが掲げる方針は、宿敵レンジャーズと二強を形成するスコットランドリーグで勝ち続ける点に傾倒している。ベテランや中堅を含めた現有戦力を保持するために、今夏の古橋のように高額な移籍金を設定するケースも少なくない。スコットランドリーグ、特にセルティックがステップアップしづらいクラブとされる理由がここにある。
 ただ、満額の移籍金が用意される場合には主力でも放出する。
 例えば年代別のポルトガル代表に名を連ねてきたFWジョタ(24)は3日、古橋と同じ移籍金2500万ポンドでサウジアラビアのアル・イテハドに移籍。同クラブは移籍金2000万ポンド(約36億7500万円)とされる日本代表MF旗手怜央(25)にも触手を伸ばしている。
 ジョタがサウジアラビアへ旅立ち、古橋は新たに長期契約を結んだ。この差は高額な移籍金を支払うクラブの有無に置き換えられる。世界各国のクラブが減収を強いられたコロナ禍の余波もあり、古橋には最終的にオファーそのものが届かなかった可能性もある。
 一方で熱狂的なファン・サポーターに支えられるセルティックに、古橋自身が深い愛着を抱いている点も見逃せない。セルティックは優良な経営でも知られ、新たな契約では年俸がそれまでの100万ポンド(約1億8000万円)から倍増したとも伝えられている。
 地元メディアの『THE CELTIC STAR』も、ジョタの移籍翌日に決まった古橋の残留を「ネガティブなニュースばかりだったなかで素晴らしい」とこう報じた。
「キョーゴの将来を少しでも長く約束する契約は、日本人ストライカーがこのクラブに満足している状況を意味する。万が一、今後に契約期間を残して彼が退団する事態になったとしても、新しいクラブからかなり高額な移籍金を得られる安心感もある」

 

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