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“ボールガール事件”のブズコバが母国のプラハオープン出場をSNSで表明したが、まだ非難が殺到する事態に(資料写真・ロイター/アフロ)
“ボールガール事件”のブズコバが母国のプラハオープン出場をSNSで表明したが、まだ非難が殺到する事態に(資料写真・ロイター/アフロ)

「また汚れた手段で勝つつもりなのか」“ボールガール事件”のブズコバが母国のプラハOP参戦をSNSで表明してまた“炎上騒ぎ”勃発

 だが、今回は復帰戦となるプラハ・オープンに集中しているからか。あるいは、全仏オープンの直後に誹謗中傷には目を通さずに無視していたように完全スルーしているのか。日付が31日に変わっても、インスタのコメント欄から誹謗中傷コメントを削除する措置は取られていない。
 ただ、その削除措置さえもが、批判対象となり「相手を失格にさせるためなら嘘をついてまで追い詰めるのに、自分に対して少しでも不利なコメントがあると即刻削除し対処する。まさに悪魔。卑怯な詐欺師ですね」というコメントまであった。

 6月の全仏オープンのダブルスで加藤が何気なく打ち返した球が、ボールガールを直撃。加藤への警告が出された直後に、ブズコバとソリベストルモは、「わざとじゃないのか?」「ボールガールが泣いているじゃない」「血も出ている」と失格を求めて審判へ激しく抗議した。スーパーバイザーも加わった協議の末に、加藤とアルディラ・スーチャディ(28、インドネシア)組に失格が宣告され、2人が、ほくそ笑むシーンの映像が世界中に流れたため、一連の行為が、スポーツマンシップに著しく欠けているとして世界中のテニス関係者やファンから非難された。
 だが、ブズコバは正式な謝罪はせずに沈黙を守り、ウィンブルドン選手権前になってSNSを再開。母国チェコメディアの取材にも応じて失格騒動への弁明や「彼女たちが私たちを悪者にした」と加藤組への批判を展開したため、またファンの怒りを買った。
 ウィンブルドン選手権では、女子シングルスで、3回戦で第5シードのキャロリン・ガルシア(29、フランス)をフルセットの末に撃破。4回戦で敗退したものの、優勝したマルケタ・ボンドロウソバ(24、チェコ)と白熱の戦いを演じ、同ダブルスでは、快進撃の末に準決勝に進出。加藤組が、先に敗れたため因縁の再戦は幻に終わったが、四大大会におけるキャリアハイを更新した。
 気持ちも新たに再スタートを切り、強気のプレーで進化の姿を示しているが、逆効果となったのが現実。ペアを組むソリベストルモが、SNSを含めていまも沈黙を貫いている分だけ、ブズコバに批判が集中する図式が生み出されている。
 ただ一方で、もう誹謗中傷や“炎上騒ぎ”は収束させるべきだと、ブズコバを擁護する意見も見られた。
「安全空間とも言えるあなたのタイムラインに、まだ馬鹿がいるのを見るのはとても悲しい」
「悪口も、そろそろいい加減にしとこうか。これ以上は逆に日本の品格を落とすだけ。同じ日本人として、そろそろ恥ずかしいわ」
 “言葉の暴力”が人を傷つける問題は、世界的な社会問題でもある。
 ハードコートで行われるプラハ・オープンは、今年最後のグランドスラムである全米オープンをみすえた重要な大会だ。ただソリベストルモが出場しない関係で女子ダブルスにはエントリーしていない。ブズコバは、31日にセンタートートで行われる第3試合で、ジャケリネ・クリスティアン(25、ルーマニア)との1回戦に臨む。
 また一方でウィンブルドン選手権後は休養を兼ねて日本へ一時帰国していた加藤は、スーチャディとのペアで31日に開幕するシティ・オープン(米ワシントンD.C.)の女子ダブルスへエントリーしている。来月上旬の1回戦で対戦する双子のリュドミラ、ナディア・キチェノク姉妹(30、ウクライナ)戦から、こちらも全米オープンへ向けて再スタートを切る。

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