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阪神のスーパールーキー森下が8回に逆転の2点タイムリースリーベースを放つ(資料写真)
阪神のスーパールーキー森下が8回に逆転の2点タイムリースリーベースを放つ(資料写真)

「ナゼ。山本由伸を投入しなかった?」阪神の大逆転を許した“8回の悪夢”はオリックス中嶋監督の継投ミスだったのか?

 湯浅は自己採点を100点とし「甲子園でしか聞けないような大歓声の中で投げることができてすごい幸せですし、本当にこの応援があるからこそあの大逆転につながったと思う」と語った。
 また岡田監督はダブルエラーで2点目を失った7回の攻撃前に「気合を入れろ!」と円陣を組むことを指示している。6月4日の交流戦のロッテ戦で佐々木朗希を攻略して以来、今季2度目の円陣。「円陣嫌い」の岡田監督が、選手に異例の動きをさせたことが、流れを変えるスイッチになったのかもしれない。
 加えてオリックスベンチは大逆転を許した8回に目に見えないもうひとつの采配ミスをしていた。二死一、二塁で、坂本を迎えた場面で外野には前進守備を敷かせていたが、フルカウントとなり、二塁走者が自動スタートを切るシチュエーションになっても、セオリー通りに定位置に下げることを怠っていたのである。結果、坂本のライトへの打球が、森の頭上を越えていく、ダメ押しの2点タイムリースリーベースとなった。森の守備位置を下げていれば、ライトフライで終わっていたのかもしれない。
 オリックスはCSファイナルSで左足首を痛めていた“ラオウ”こと杉本を「5番・レフト」で先発起用したが、3打席ノーヒット、まともにスイングができていなかった。
 左足甲を疲労骨折している頓宮も甲子園の3試合ですべて「4番・一塁」で先発出場し、1本塁打を含む3試合連続ヒットと結果を残したが、代走を送られるなどしてすべて途中交代を余儀なくされている。阪神OBの一人は、「4番と5番が重要な終盤にいないのでは苦しい。オリックスのチーム状態がベストではない影響が出ている」と指摘した。
 阪神が3勝2敗で王手をかけた。
「勝負に絶対はない」が、口癖の岡田監督が、前日の勝利監督インタビューでは、「(日本シリーズで)最後の甲子園。明日は絶対に勝ちたいと思う」と異例の公約をしていた。
 岡田監督には、それほど期するものがあったのだろう。4万を超える大観衆に有言実行を果たした岡田監督は、京セラドームに舞台を移す第6戦に向け、こう決意表明をした。
「明日休んで、また新たな気持ちで、明後日、京セラドームで1年の集大成をぶつけたい」
 おそらくオリックスは明日4日の第6戦に山本を先発に立ててくる。シーズン防御率1.21の大エースが、第1戦では、まさかの7失点をしたが、次は、リベンジをかけて“本物”の山本由伸が向かってくるだろう。ここで一矢を報いて逆王手をかければ、阪神の第7戦の先発候補は不在で、またシリーズの行方がわからなくなる。
 対する阪神の第6戦の先発は、18年ぶりのアレの象徴でもある村上。第7戦を考えると、ここで決めたい。横浜DeNAへの3連勝から始まった京セラドームで2023年の集大成を38年ぶりの日本一で締めくくる。岡田監督には、確かなシナリオができあがっている。
(文責・RONSPO編集部)

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