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すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)
すべてが発覚する前の韓国の開幕シリーズでの大谷と水原容疑者(写真・AP/アフロ)

水原容疑者が大谷に口裏合わせの「嘘の供述」を懇願していた…悪事が発覚した3月20日の韓国の夜に最後の“悪あがき”…協議には妻も出席

 大谷は会見でこの間の状況をこう語っていた。
「その後、試合後、ホテルに戻って初めて一平さんと話をして彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時、私の口座に勝手にアクセスしてブックメーカーに送金していたことを僕に伝えました。僕は、やっぱりおかしい、これはおかしいなと思って、代理人と話したいということで、そこで代理人を呼んで話しました。話が終わって、これを聞いて僕の代理人も彼に嘘をつかれていたことを初めて知ってドジャースの皆さんと弁護士の人たちに連絡をしました。ドジャースのみなさんも、代理人の人たちも、自分たちも嘘をつかれていたということを初めて知りました。そして僕の弁護士たちは、これは窃盗と詐欺のことなので、警察の当局に引き渡すという報告を、その時にしました」
 この協議が終了後、弁護士事務所が「最近のメディアの問い合わせに対応する過程で、翔平氏が大規模な窃盗の被害にあっていることが判明し、当局に問題を引き渡している」との声明を発表。ドジャースもただちに水原氏を解雇した。
 水原容疑者はチームのチャーター機とは別の便ですぐにロサンゼルスに戻ったが、米国土安全保障省の職員が待ち受けていた。水原容疑者は尋問には応じなかったが、捜査に重要な情報があるスマートフォンの提出を求められた。水原容疑者はさすがに観念したのか、取り調べに協力する同意書にサインをしスマートフォンを提出したという。11日に訴追が発表された際の訴状では、水原氏と違法なブックメーカーとの生々しいやりとりの一部が明かされているが、それらは、このスマートフォンの捜査から出てきたもの。
 また日本語をネイティブに話すことができる特別捜査間が、2020年から2024年までの大谷と水原容疑者が交わした9700件に及ぶテキストメッセージのすべてチェック。スポーツ賭博に関するやりとりが一切なく、大谷がスポーツ賭博にまったく関与していなかったという潔白が証明された。
 水原容疑者は12日に法執行機関に出頭して身柄を拘束され、ロサンゼルス連邦地裁に出廷し、パスポートの押収、大谷との接触禁止、スポーツ賭博などのギャンブル禁止、大谷との接触禁止、ギャンブル依存症の更生プログラムの受講などの数多くの条件を付けられて保釈を認められた。保釈金は2万5000ドル(約380万円)に設定されたが、支払いが困難のため、署名保証金制度を使い、これらの条件に違反した場合に2万5000ドル(約380万円)を支払うという実質“ゼロ円”で保釈された。

 代理人弁護士マイケル・フリードマン氏は「(水原氏は)大谷氏、ドジャース、メジャーリーグ、そして家族に謝罪したいと願っています」との声明を発表した。銀行詐欺罪は最大で禁錮30年、罰金100万ドル(約1億5300万円)の重罪だが、検察側と司法取引を交渉中だという。罪状認否は5月9日(日本時間10日)に行われる予定だ。

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