「もう沢村賞確定だ」阪神で60年ぶり3試合連続完封の高橋遥人と15奪三振で敗戦投手の中日、高橋宏斗の何がどう違ったか…「アバウトか精密か」…懸念材料は故障だけ
一方の高橋宏斗も初回から157キロをマークするなど飛ばした。1回一死から中野、森下に連打を浴びるも佐藤をセカンドライナーに打ち取り、飛び出していた森下をアウトにするダブルプレーでピンチを脱すると、2、3、4、5回とノーヒット。だが、6回に「立つからには打ちたい。塁に出ようと思って打席に入った。めちゃくちゃ気持ちよかった」という高橋遥人に三遊間へのヒットを許してリズムが狂う。
続く高寺の真ん中高めへ投じた152キロのストレートをライトスタンドへ運ばれてしまった。この2ランが決勝点となった。
高橋宏斗は2試合続けて高橋遥人とのエース対決に敗れた。
2人の高橋の違いはどこにあったのか。
現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人はこう分析した。
「2人はタイプが違います。高橋遥人は、球持ちがよく、打者の手元でのボールの伸び、キレで勝負するタイプ。高橋宏斗は球威で押すパワーピッチャー。ただ決定的に違うのはコントロール。高橋遥人は精密で、ほとんどが低めにボールが集まるが高橋宏斗はアバウト。しかも意識的かどうかわからないがストレートがシュート回転している。高寺に高めに浮いたボールをホームランにされましたが、あれをファウルにできないのはシュート回転しているからです。一方の高橋遥人は右打者のインコースに角度をつけ、外角へは逆に角度のないストレートと正確に投げ分けています。本人は投球テンポを大事にしているそうですが、常にストライク先行するから、中日の打者に考える時間も与えない。伏見のリードは内角をストレートで突き、外で揺さぶるというオーソドックスなものですが、そこに投げ切る制球力があるんです」
その評論家は防御率を0.21に引き上げた高橋遥人をこうも評価した。
「もう沢村賞確定でしょう。どの球団、どの打者が相手でも打たれる気がしません」
阪神では、2003年に井川慶が受賞して以来、沢村賞投手は出てきていない。ただ某評論家はひとつだけ懸念材料を示した。
「高橋が怪我なくオフを過ごして開幕からローテーに入ったのはプロ初です。1シーズンを怪我なく過ごせるかどうか。藤川監督はそれこそ2試合投げたら1度抹消して、先発を飛ばして、次の登板を中13日にするようなコンディション調整をしていく工夫がいるのでは」
藤川監督も「健康であることが最重要」が口グセだ。
そのマネジメントさえうまくいけば、高橋が今シーズンにとんでもない伝説を作りあげるかもしれない。

