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巨人の阿部監督が仕掛けた1回のギャンブルスタートは裏目に出た(写真・スポーツ報知/アフロ)
巨人の阿部監督が仕掛けた1回のギャンブルスタートは裏目に出た(写真・スポーツ報知/アフロ)

GT戦で究極“駆け引き”!なぜ巨人・阿部監督の1回ギャンブルスタートは阪神・藤川監督の東京ドームの人工芝張り替えを読んだ「勝負の前進守備」の前に不発に終わったのか?

 巨人が23日、東京ドームでの阪神戦に0-3で敗れて3連敗、首位のヤクルトとは4ゲーム差、2位の阪神とは3.5ゲーム差となった。村上頌樹(27)から、わずか3安打しか奪えず、今季初完封を許したが、1回に一死三塁のチャンスをつかむものの、打者、吉川尚輝(31)、三塁走者、浅野翔吾(21)でギャンブルスタートを仕掛けて失敗した。また先制の2点タイムリーを虎の黄金ルーキー立石正広(22)に打たれ、2試合連続の打点を許した。なぜ巨人は阪神に勝てなかったのか。

 立石には2試合連続のタイムリーを浴びる

 終わってみればそれが最初で最後のチャンスだった。
 1回だ。阿部監督は、前日の平山の怪我に伴い、緊急昇格させた2022年のドラフト1位の浅野を「1番・センター」でスタメン起用。その浅野が打ち上げたフライをショートの木浪、レフトの立石、センターの高寺がお見合いしてその間にポトリと落ちた。浅野は二塁まで走り(記録は二塁打)、キャベッジの一塁ゴロで一死三塁の先制機を作った。
 打席には吉川。ここで阪神は内野に前進守備を敷かせた。通常、初回では大量失点につながることを恐れて前進守備はあまり敷かない。だが、藤川監督の勝負勘が働いた。
「球場の特性といいますか。東京ドームも芝が打球があまり跳ねないというのもあって前進守備で勝負をかけた」
 東京ドームは7年ぶりに人工芝の全面張り替えを行っていた。芝が長く打球速度が遅くなるため前進守備を敷いても間を抜かれる可能性が低い。しかも、ウィットリーは、1回に立石、中野、佐藤と3つのアウトをすべて三振で奪うなど素晴らしい立ち上がりを見せていた。ここでの1点が、命取りになるとも考えたのだろう。
 一方の阿部監督はフルカウントになってギャンブルスタートにサインを切り替えていた。ベルト付近の外角球を引っ掛けた吉川の打球はファーストの正面。ワンバウンドでその打球を処理した大山は一瞬、ボールを握り直した。浅野は本塁へヘッドスライディングを試みるも余裕でタッチアウト。藤川、阿部の両監督が、それぞれの思惑を抱いて仕掛けた究極の駆け引きは阪神に軍配が上がった。
 藤川監督は「バッテリーがうまく内野ゴロを打たせたと思います」と振り返った。
 現役時代にタイトル獲得経験のある評論家の一人は、巨人の浅野の走塁ミスを指摘した。
「ウィットリーの出来と、吉川の調子を考えると、まずギャンブルスタートで1点という作戦は間違っていない。ただ浅野のディレーがあと1歩足りなかったし、たとえギャンブルスタートでもあっても、大山のほぼ正面にワンバウンドで飛んだ打球は、目に入るのだから無理に突っ込まずに挟まれて、吉川の二進を助けるプレーを行うべきだった。次は4番のダルベック。結果はどうなったかわからないが、村上にプレッシャーをかけることはできたと思う。浅野の状況判断の甘さ、経験不足が出てしまった」
 0-0ゲームの均衡を破ったのは虎のスーパールーキーだった。
 5回一死一、二塁で村上がしっかりとバントを決め、二死二、三塁のチャンスに立石は、カウント1-2と追い込まれながらも、154キロの外角のストレートをコンパクトに捉えて打球をセンター前へ弾き返した。先制の2点タイムリー。巨人バッテリーは前日にプロ初打点&初猛打賞をマークした立石の勢いを止めることができなかった。

 

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