7.20両国で最強挑戦者と戦うWBC王者の岩田翔吉が発言した「次に戦いたい2人」は誰なのか…「マサイ族戦士の世界観に刺激」
トリプル世界戦(7月20日・両国)で初防衛戦に挑むWBC世界ライトフライ級王者の岩田翔吉(30、帝拳)が10日、新宿区の帝拳ジムで本格スパーリングを2ラウンド公開した。相手は無敗の指名挑戦者だが、アフリカのムサイ族を扱った番組に刺激を受けて「技巧派が苦手だという声を覆したい」と強い覚悟を示した。またV1に成功した後には「戦いたい相手が2人いる」と公言した。名前は出さなかったが9月2日に横浜で防衛戦を行うWBA&WBO同級王者のレネ・サンティアゴ(34、プエルトリコ)と、WBA&WBO世界ミニマム級王者のオスカー・コラーゾ(29、同)の2人だ。
「世界戦は前編と後編。これをクリアして真のチャンピオン」
「記者さんが喜ぶと聞いたので」
岩田は、最近では那須川天心くらいしかやらなくなった本当のスパーリングを2ラウンド公開した。相手は、指名挑戦者のエリック・バディージョ(メキシコ)を想定して、メキシコから招聘した同じサウスポーのグスタボ・ペレス。キャリアで2敗しかしておらず、1敗は、WBO世界フライ級王者のアンソニー・オラスクアガ(米国)で、もう1敗は、この4月にIBF世界ミニマム級王者のペドロ・タドゥラン(フィリピン)に挑んだものだ。
その強豪との2ラウンドのスパーの中で岩田は、田中繊大トレーナーとの指導で磨いてきたステップを生かす素早い前後の出入り、足を止めてガードを固めてのプレス、至近距離でのラッシュ、右のボディ、ノーモーションの右など「ディフェンスのいい挑戦者をどう崩すか」の一端を披露した。それだけでお金がもらえる田中トレーナーとのリズムに乗った鮮やかなミット打ちでは「絶好調の仕上がり」を示すスピードとキレがあった。100ラウンドを越すスパーは、この3日間連続で行い、「追い込みの最終調整」だという。
「次の防衛戦に向けてずっと動き続けてきました。世界王者になりましたが、前編・後編ではないですけど、この試合をクリアしてこそ真のチャンピオンだと思っています。かなり気合いが入っています」
3月に2階級制覇王者であるノックアウト・CPフレッシュマート(タイ)を流血による試合続行不能に追い込み、負傷判定勝利で王座に返り咲いた。最初のカットが偶然のバッティングでなくパンチによるものだったため、のちにTKO勝利と記録が変更された。だが、世界戦前から次戦が19戦無敗(8KO)のバディージョとの指名試合になることが決まっていた。しかも岩田にとって初防衛は鬼門。WBO同級王者時代に現WBA&WBO統一王者のサンティアゴに判定負けを喫している。
だから、岩田は、この世界ベルトの価値を「前編・後編」の二部仕立てだと表現したのだ。
「去年それで失敗していますし、気持ちを切らさずに取り組んでこられたのは、絶対に次は勝ちたいという強い思いがあったからです」
だが、今回の相手はWBOでも1位にランキングされている最強挑戦者だ。一発で決めるパンチ力はないが、常に手が出て多彩な連打でたたみかけてくる。バディージョの距離でボクシングをされると、その連打でポイントは相手に流れるだろう。
ガードは、盲点の内側が空くが高く、またステップとボディワークでもパンチを外すことができる。厄介な万能タイプだ。
6月19日の記者会見で岩田は「『岩田はやばいんじゃないか』という声も聞く。下馬評が不利な試合は初めて」とコメントした。
「誰が言ったというわけではないですが、そういう声を聞いた気がします。自分は技巧派が苦手なんじゃないかという見方があります。その評価をしっかりと覆すためにトレーニングを積み重ねてきました」
「技巧派が苦手」は、前に出ての打撃戦を好む岩田がサンティアゴにいなされて王座から陥落した試合を示唆している。

