「次やれば井上尚弥に勝てる。12月に再戦をやろう!」中谷潤人“参謀”トレーナーがモンスターとの再戦を熱望…米リング誌に敗戦理由は「仕掛けるのが遅すぎた」と明かす
プロボクシングのスーパーバンタム級の4団体統一王者、井上尚弥(33、大橋)との東京ドーム決戦で、0-3判定で敗れた中谷潤人(28、M.T)のトレーナーであるルディ・エルナンデス氏(62)が再戦を熱望した。米老舗雑誌「ザ・リング」のインタビューに答えたもので、敗戦理由を「仕掛けるのが遅すぎた」と、自らの指示ミスだったと認め、「次やれば勝てる」とした上で12月の再戦を熱望した。井上陣営は、将来的にフェザー級での再戦の可能性は示唆しているが、次戦は来年1月のWBC,WBA、WBO世界スーパーフライ級王者のジェシー“バム”ロドリゲス(、米国)とのビッグマッチが計画されている。

「ああいう入り方をさせたのは私の判断」
中谷が絶大なる信頼を置く陣営の“名参謀”がロサンゼルスの自宅へ戻った後に、リング誌の取材を受けて判定負けとなった”世紀の一戦”について重い口を開いた。
「潤人のパフォーマンスをとても誇りに思っている」とした上で、自らが指示した作戦のミスを認めた。
「じっくり考えた結果、試合の序盤数ラウンドで潤人を抑えすぎてしまったことで、私は彼を失敗させてしまったのではないかと思っている。ああいう入り方をさせたのは私の判断だった」
中谷は1ラウンドから中間距離で左のカウンターを狙う戦略で戦った。井上の察知能力の高さを考えて、あえて無駄なパンチを出さず、井上の入り際や、打ち終わりにカウンターを狙ったが、それはことごとく外されポイントを失い続けた。1ラウンドから4ラウンドは、ジャッジの3人は井上を支持していた。
井上陣営の真吾トレーナーは、「中間距離が一番やりやすいと考えていた。パンチを出さなかったのではなく、圧で出せなかった、入れなかったんでしょう」と、試合後にコメントしている。
エルナンデストレーナーは、その作戦を4ラウンドも引っ張ったことを悔いた。
「(当初のプランが)必要以上に長引いたのは、井上が非常に高いボクシングIQ、スピード、パワーを持つすべてを兼ね備えた選手だと分かっていたからだ。私の考えは、スピードで踏み込んでくる井上が近づいた瞬間に捉えるため、あえて一歩後ろに位置することだった。しかし試合の中で、潤人は井上と同じくらい速いことが分かった。最初から殴り合うプランはなかった。主導権を握り、タイミングを計って井上を捉えることが目的だった。それがプランだった。我々はどのラウンドも落としたくなかった。試合としては成立させたが仕掛けるのが遅すぎた。経験から学ぶしかない」
中谷は、5ラウンドからアクションを増やした。ワンツーからの右フック、近い距離からの左を放ち、ジャッジの2人は、5、6ラウンドを中谷につけた。だが、井上の圧とカウンターの恐怖にさらされ、決定的なチャンスはつかめず、その圧に負けず前に出てプレッシャーを強めたのは8ラウンドに入ってからだった。左から4連打を浴びせ突っ込んでの右の上下のダブルのフックはクリーンヒット。ロープにも詰めた。ジャッジ3人が揃って中谷の10―9につけたのはこのラウンドが初めてだった。だが、10ラウンドにバッティングで眉間をカットし、そして11ラウンドに決定的な事件が起きる。
中谷が距離をつめて放った左を外されたと同時に内側から突き上げられた井上のショートアッパーを左目にもろに浴びた。中谷は、この一発で左目の眼窩底骨折を負い、目をあけていられなくなり、左手のガードでその目を覆い、防戦一方となった。
「どのラウンドも非常に接戦でどちらに転んでもおかしくなかった。潤人が動き始めてからは流れをつかみ、非常に安定した戦いぶりを見せていた。それもまたプランの一部だった。10ラウンドの頭突きで左眉付近にできた裂傷は試合結果に影響しなかったが、11ラウンド序盤のアッパーカットによる眼窩底骨折は結果を変えた。潤人はダメージを受け、防御モードに入ったのが分かったが、試合後になるまで目を負傷していたことを私に伝えなかった。目の負傷までは潤人は波に乗っていて、すべてが機能し、自信も高まっていた。彼は井上にプレッシャーをかけていた」
中谷は11ラウンドを終え、コーナーに帰った際にも、エルナンデストレーナーに目を傷めたことを伝えなかったという。

