• HOME
  • 記事
  • サッカー
  • 今日クロアチア戦!“最強ジョーカー”三笘が反響続くあの“1ミリ問題”について語る…「ぎりぎりのところで勝敗が決まるのがW杯」
物議を呼んだ三笘の逆転ゴールのアシストの場面。VARで認められたが数ミリラインにかかっている(写真・AP/アフロ)
物議を呼んだ三笘の逆転ゴールのアシストの場面。VARで認められたが数ミリラインにかかっている(写真・AP/アフロ)

今日クロアチア戦!“最強ジョーカー”三笘が反響続くあの“1ミリ問題”について語る…「ぎりぎりのところで勝敗が決まるのがW杯」

FIFAワールドカップ・カタール大会の決勝トーナメント1回戦、日本代表対クロアチア代表が今日5日18時(日本時間6日0時)、ドーハ近郊のアル・ジャヌーブ・スタジアムでキックオフを迎える。史上初のベスト8進出を目指す日本は4日、ドーハ市内の活動拠点で最終調整。終了後にメディア対応したMF三笘薫(25、ブライトン)は、いまだに世界中で注目を集めている1日のスペイン代表戦での“1.88mmアシスト”に言及。ジョーカーでの起用が予想されるクロアチア戦へ「いつも通りやるだけ」と闘志をみなぎらせた。

「あきらめない姿勢が大事。あの場面ではボールが来る予感もあった」

 強豪スペインを撃破したグループE最終戦から3日がたっても、日本の勝ち越しゴールをアシストした三笘のスーパープレーはいまだに世界中で注目を集めている。
 例えばツイッター上では、三笘の左足がボールにヒットした瞬間の画像を解析する動画が投稿されて大きな話題を呼んだ。真上から撮影された画像を拡大していくと、判定通り、ほんのわずかながらボールがゴールラインにかかっている。幅にして1.88mmだったと解析された。
 クロアチア戦へ向けた4日の最終調整後にメディアへ対応した三笘は、世界中で賛否両論を呼んだ“1.88mmアシスト”に「ルール上、インはインなので何も気にしていない」と言及した。
「負けたチームがそう言うのはある意味で仕方がないと思いますけど、そういったぎりぎりのところで勝敗が決まるのがやはりW杯なんだと身に染みて感じています」
 世界を騒然とさせた三笘のプレーは、MF堂安律(24、フライブルク)の豪快なミドルシュートで日本が1-1の同点に追いついてからわずか3分後の後半6分に飛び出した。
 右サイドでの細かいパス回しから、堂安がグラウンダーのクロスを送る。しかし、味方に合わないまま、スペインのゴール前を斜めに横切って反対側のゴールラインへ近づいていった。
 しかし、日本の選手たちはあきらめない。FW前田大然(25、セルティック)がトップスピードでファーサイドへ飛び込むもわずかに届かない。しかし、もう一人いた。前田の外側を猛然と駆け上がってきた三笘が最後の最後に、思い切り伸ばした左足をボールにヒットさせた。
「どんな試合でもあきらめない姿勢が大事ですし、しかもあの場面ではボールが来るという予感もあったので走っていきました。あそこでは誰も足を止めないと思います」
 いつも変わらないプレーだとあらためて強調した三笘はこのとき、驚くべきテクニックを駆使している。ボールを普通に蹴り返していたら、おそらくは前方にいた前田に当たっていた。しかし、三笘はとっさの判断で左足をボールのちょっと下へもぐり込ませた。
 果たして、浮いた軌道を描いたボールがスペインゴール前へ緩やかに折り返される。三笘を信じて走り込んできていた川崎市立鷺沼小学校時代からの幼馴染み、ボランチの田中碧(24、フォルトゥナ・デュッセルドルフ)が体で押し込む状況を瞬時に作り出してみせた。
 しかし、ビクトル・ゴメス主審(南アフリカ)は何も宣告しない。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)によるチェックが入っていると、スタジアム内に表示されてから約2分後。ゴメス主審がセンタースポットを指さした瞬間に、田中の勝ち越しゴールが認められた。
 角度によっては、ボールがゴールラインを割っているように見える画像や映像もあった。しかし、VARはほんのわずかながらゴールラインにかかっていると判定した。最後まであきらめない三笘の執念が、最先端技術が駆使された科学の目との共同作業で奇跡を手繰り寄せた。
 三笘自身はSNSを含めて、初めてのW杯を戦う上で必要のない雑音はシャットアウトするように努めている。しかし、ゴールラインにかかっていた幅が1.88mmだったという続報を含めて、友人や知人からのメッセージや連絡を介してその後の情勢を否が応でも見聞きする。
 初めて経験する熱狂的な状況を、三笘はむしろポジティブに受け止めている。
「いままで来なかったような人からもメッセージが届きますし、いろいろな人が見てくれていると感じられる状況は自分の力になっています。ただ、自分が集中しているのはそこ(スペイン戦のアシスト)ではない。すぐに次の試合がやってくるなかで、試合があった日は喜びますけど、その翌日にはもう忘れないといけない。それは常に自分へ言い聞かせています」

関連記事一覧