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ブライトンの三笘薫が欧州リーグのアヤックス戦にフル出場して2-0勝利に貢献(写真・ロイター/アフロ)
ブライトンの三笘薫が欧州リーグのアヤックス戦にフル出場して2-0勝利に貢献(写真・ロイター/アフロ)

なぜ三笘薫は負傷者続出のブライトンで稼働率約94%の驚異的な鉄人ぶりを発揮できているのか…欧州リーグのアヤックス戦に2-0勝利

UEFAヨーロッパリーグのグループリーグ第4節が9日(日本時間10日)に行われ、日本代表MF三笘薫(26)を擁するグループBのブライトンは、敵地でアヤックス(オランダ)に2-0で快勝。通算成績を2勝1分け1敗の勝ち点7として2位に浮上した。左ウイングで先発した三笘は得点には絡まなかったものの、主力3人が負傷退場したなかでフル出場。チームでただ一人、今シーズンの公式戦全16試合に出場している鉄人ぶりで“野戦病院化”に拍車がかかったブライトンを支えている。

 地元紙の採点は平均の「7」

 

 前半のキックオフと試合終了を告げる主審のホイッスルを、ともにピッチの上で聞く。今シーズンの三笘にとって当たり前となりつつある先発フル出場を果たす姿が、オランダの名門アヤックスの本拠地ヨハン・クライフ・アレナでも再現された。
 ただ、大きなインパクトを残したとは言い難い。
 前半15分にスペイン代表FWアンス・ファティ(21)が、後半8分にはコートジボワール代表FWサイモン・アディングラ(21)がゴール。守ってはアヤックスを零封して、アウェイで初勝利をあげた90分間で、三笘に訪れた見せ場はわずか2度だった。
 相手キーパーの縦パスを鋭い出足でカットした後半18分は、ペナルティーエリア内で三笘からのパスを受けたファティのシュートが右に外れてため息に変わった。ブラジル代表に初選出されたFWジョアン・ペドロ(22)の縦パスに反応し、相手ゴール前に抜け出した同23分は、利き足とは逆の左足から放ったシュートがクロスバーを大きく越えた。
 このとき、三笘の右側を併走してきたFWエヴァン・ファーガソン(19)は自分へのパスを選択してほしかった、とばかりに大きなゼスチャーで悔しがっている。
 試合終了直後に選手採点を速報する地元メディアの『Sussex World』も、この決定機にフォーカスした上で三笘に平均点となる「7」をつけた。ちなみにゴールを決めたファティとアディングラは、ともに最高となる「9」をもらっている。
「ファティ、ジョアン・ペドロ、アディングラの3人に圧倒されていた。後半のチャンスでは自らゴールを狙うのではなく、エヴァン・ファーガソンにパスを出すべきだった」
 三笘への厳しい評価は、期待の裏返しと言っていいだろう。
 今シーズンのブライトンはここまで、プレミアリーグ、リーグカップ、そしてクラブ史上初めて臨んでいるヨーロッパリーグで計16試合を戦ってきた。そして、キーパーを含めた選手のなかでただ一人、全試合に出場しているのが三笘となる。
 しかも、そのうち15試合で先発し、アヤックス戦を含めて実に12試合でフル出場を果たしている。1356分を数えるプレー時間ももちろんチーム内で最長。トータルの試合時間1440分に対する稼働率は約94%と、驚異的な数字に達している。
 ブライトンを率いるロベルト・デ・ゼルビ監督(44)は、キャプテンのイングランド代表DFルイス・ダンク(31)、ユーティリティープレーヤーのドイツ代表MFパスカル・グロス(32)、そして三笘を「代役のきかない3人」とチームの生命線に位置づけている。
 しかし、アヤックス戦ではダンクが前半終了間際に左足を痛め、ハーフタイムに交代を余儀なくされた。ダンクだけではない。左サイドバックで先発した大ベテラン、ジェイムズ・ミルナー(37)が開始わずか8分で、約1カ月ぶりの復帰を果たしたエクアドル代表DFペルビス・エストゥピニャン(25)が途中投入からわずか12分でそれぞれ負傷退場した。

 

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