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36歳のベテランフッカー堀江翔太が日本代表候補に復帰した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)
36歳のベテランフッカー堀江翔太が日本代表候補に復帰した(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

なぜ36歳のベテランフッカー堀江翔太は約2年半ぶりにラグビー日本代表候補に復帰したのか?

「試合でよくないと(代表に)選んでもらえないので、佐藤さんと『リーグワンのパフォーマンスを高い位置にせなあかん』と話していました」

 代表復帰のためには何が必要か。前掲のオンライン取材でそう聞かれ、いまいる集団にとっての必要なスパイスでありたいと話した。

 堀江は知っている。ナショナルチームに呼ばれても、結局のところは首脳陣が目指すプレースタイルをよりよくするのが仕事なのだという事実を。

「どうプレーすればチームがうまく回るのかを考えながらやっている感じです。(チームのなかでの)個人の役割がある。その先に、自分のいいプレーがある。目立とうとはあまり思っていないです」

 今後、堀江は代表候補内で日本代表、ナショナルデベロップメントスコッド(NDS)のサバイバルレースを勝ちぬかねばならない。今回、フッカーには堀江を含めて5名が選ばれた。W杯経験者の堀江、坂手のほか、昨年の代表活動にも参加した堀越康介、堀越と東京サントリーサンゴリアスで定位置を争う中村駿太、東芝ブレイブルーパス東京の2015年度以来の全国4強入りを支えた橋本大吾だ。

 リーグワンで試合がある選手以外は5月14、15日、23~27日に大分で合宿を張り、6月3日以降からの約1か月間は、全スコッドが日本代表、その予備軍のNDSに、それぞれ宮崎、大分に分かれ、切磋琢磨しながらもふるいにかけられる。

 その間、最低でも3つのゲームが組まれる。 6月11日(秩父宮)の「TONGA SAMURAI XV(在日トンガ人選手の連合軍)」とのチャリティーマッチには、NDS勢からなる「EMERGING BLOSSOMS」が参戦。さらに18日(秩父宮)、25日(福岡・ミクニワールドスタジアム北九州)のウルグアイ代表戦には、日本代表の主力候補と次世代の若手を混成した形で臨む。同時期には、NDSにあたる選手と韓国代表との試合が調整されている。7月2日(愛知・豊田スタジアム)、9日(国立)にはフランス代表戦がある。この世界ランク2位のフランス代表との連戦では、その時点でのベストメンバーが組まれそうだ。

 ただ藤井氏は「堀江以外のフッカー(の働きぶりを注視する)」と言及。裏を返せば、いまのナショナルチームの序列においてもやはり堀江を「別格」と見ている。フランス代表戦でも、堀江は先発の2番、もしくはリザーブの16番でスタンバイしそうだ。

 周りの予想とは裏腹に、本人はあくまで「プレーを見て(判断を)」と愚直だ。  久々に顔を合わせるスタッフや主力選手、新進気鋭の若者と“同じ船“に乗り、W杯フランス大会を目指してオールを漕ぐ決意を固めている。 (文責・向風見也/ラグビーライター)

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