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千葉ロッテの佐々木朗希は横浜DeNA戦で打たせてとる投球にモデルチェンジして8回を1失点に抑えたが、「空振り&ファウル奪取率」が低下する異変が起きていた。井口監督は登録抹消を決断(資料写真・黒田史夫
千葉ロッテの佐々木朗希は横浜DeNA戦で打たせてとる投球にモデルチェンジして8回を1失点に抑えたが、「空振り&ファウル奪取率」が低下する異変が起きていた。井口監督は登録抹消を決断(資料写真・黒田史夫

佐々木朗希に異変?!モデルチェンジで8回1失点も「空振り&ファウル奪取率」が低下…登録抹消しての再調整は正解か

楽天、巨人、西武で作戦参謀を務め、現在は新潟アルビレックスBC監督の橋上秀樹氏は、「ストレートの球筋が悪くなっていた」と分析する。

「しっかりとラインに乗らずストレートが右打者に対してシュート回転してしまっていた。球速が160キロ出ていたにもかかわらずファウルや空振りを取れずにミートされていたのは、その球質の問題だと思う。おそらくフォームバランスが崩れているのだろう。投球フォームも躍動感に欠けていた。ストレートの球筋が悪いとフォークも効かない。登録抹消後、交流戦では、中6日、中7日でフルに3試合に登板した。まだ3年目で肉体も未完成。初めてローテーに入ったことによる疲労の蓄積が影響しているのだと思う。手足の長い投手は、特に修正、調整が難しい。だが、その中でも自分の調子を理解して特に右打者にスライダー中心の組み立てに変えて8回を1失点に抑えてみせるのだからタダモノではない。そこが彼の才能であり、まだまだ底の知れない能力なのだろう」

 3回には佐野に160キロのストレートを一、二塁間に引っ張られてヒットを許した。現在のセのリーディングヒッターの技術ではあるが、そこに異変は見られた。

 データにも顕著に表れている。

 この日の奪三振は5で、4月24日のオリックス戦の4に次ぎ今季2番目に少ない。

 48球を投じたストレートで取った空振りは4で、ファウルは11しかなかった。空振り、あるいは、ファウルの獲得率は約31%だ。完全試合時は、ストレートを64球を投じて、空振りが2,ファウルが24。この時の同獲得率は約41%である。

 佐々木は、この日、松川のサインにクビをふるシーンも目立った。自身がストレートの異変を感じとり、試合を作るためにモデルチェンジを推し進めたのだろう。

 報道によると、井口監督は、試合後、登録抹消する方針を明かしたという。

 橋上氏も、その方針を支持する。

「4月に完全試合、8回完全試合と続けた時期が、肉体的にもフォームバランス的にもすべてのコンディションがピークだったと思う。相手チームの対策や慣れもあるが、その後、徐々に下降線に向かっていたように感じる。やはり疲労の蓄積による技術の狂いが原因だと思う。リフレッシュするために一度、登録抹消されていたが、コンディションを戻しきるだけの時間ではなかったんだと思う。センスと能力があるので、今日のようなスタイルでゲームを作るピッチングはできるが、これを続けると故障につながる危険性がある。井口監督は登録抹消を口にしたそうだが、ここで、しっかりと肉体を休ませて再調整させることは正解だろう。10日間ではなく、もっと長いスパンで疲労を抜かせて再調整した方がいいと思う。フォームバランスが崩れた状態で、無理をさせると、それこそ一時の阪神の藤浪晋太郎のように、良かったときの感覚を失ってしまう危険性もある」

 橋上氏は、再調整期間を1か月以上設けて、「7月26、27日のオールスター出場前に余裕を持って復帰して、そこに間に合うスケジュールでいいのではないか」というプランを提案した。

 ロッテが、どういうプランを練っているかはわからないが、“再充電”してきた後の「令和の怪物」のマウンドに注目が集まる。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)

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