昨年の米球宴で大谷翔平は本塁打競争、本番での二刀流出場と続けて話題を独占した(写真・AP/アフロ)
昨年の米球宴で大谷翔平は本塁打競争、本番での二刀流出場と続けて話題を独占した(写真・AP/アフロ)

大谷翔平は2年連続で米球宴に選出されるのか?

劇的に潮目が変わったのは6月9日のこと。その日、大谷は7回を投げて4安打、1失点で4勝目を挙げたが、打者としても5回に逆転2ランを放ち、投打でチームの連敗を「14」で止めた。その試合を含め22日までは、投手として3試合に先発し、3勝0敗、防御率0.43。21回を投げて、9安打1失点、25奪三振、5四球。被本塁打は0で、許した長打は二塁打2本だけ。打者としては12試合に出場し(投手として先発した3試合含む)、46打数16安打(.348)、4本塁打、13打点、5四球、11三振、出塁率.396、OPS1.092。今季通算でも打率を.260まで上げ、OPSも.822まで回復した。

 それぞれに手応えもあるよう。大谷は、キャリアハイタイの11試合連続安打を記録した16日、「(ボールの)見え方がいい」と状態を口にし、こう続けている。

「たまたま出ているヒットじゃなくて、しっかりと打っているヒット」

 偶然ではなく、必然。11試合のうち4試合が複数安打でもあった。同じ日、投手としては6回を3安打、無失点に抑え5勝目を挙げたが、やはり「すごい思い通りにいっているというわけではなかったですけど、甘く入ってもファールになるぐらいの球質で投げられていたので、そこはよかった」と満足げ。その日は41%がスライダーで、配分が40%を超えたのはキャリア5度目。当然スライダーの話かと思って確認すると、「全部(の球種)です」と間髪入れず言い切った。

 その後も、そこで得た自信を継続。22日は最初の2人にこそヒットを許したが、その後、8回を投げきるまで、許した走者は四球の一人だけ。圧巻だった。

 オールスターに選ばれるには、まず、ファン投票ということになる。投手については選手間投票とコミッショナーオフィスによる選抜だ。

 ファン投票は2段階あり、「フェーズ1」の投票期間は6月30日まで。ここでそれぞれのポジションの上位2名(外野手は上位6人)が、「フェーズ2」という決選投票に進む。フェーズ2の投票期間は7月5日から8日まで。フェーズ1の得票数は持ち越されず、全員がゼロからのスタート。おそらくフェーズ1では、アルバレスがギリギリで大谷の追い上げをかわしそう。しかし、6月9日以降の勢いを考えれば、フェーズ2は大谷の方が有利ではないか。

 仮にここで指名打者としてオールスター出場を決められなくても、投手で、という可能性も出てきた。防御率が2点台に下がり、他の候補選手と比べても、十分に勝負できる数字だ。

 

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