• HOME
  • 記事
  • 野球
  • 広島の次期監督最有力候補はOB新井貴浩氏と“V3監督”緒方孝市氏の2人
広島の次期監督候補はV3監督の緒方孝市氏(左)とOBの新井貴浩氏(右)の2人に絞られた(写真・黒田史夫)
広島の次期監督候補はV3監督の緒方孝市氏(左)とOBの新井貴浩氏(右)の2人に絞られた(写真・黒田史夫)

広島の次期監督最有力候補はOB新井貴浩氏と“V3監督”緒方孝市氏の2人

広島の次期監督がOBの新井貴浩氏(45)と元監督で球団史上初のリーグV3を達成した緒方孝市氏(53)の2人に絞り込まれていることが5日までに明らかになった。チームは若手に切り替わる過渡期にあるが、辞任した佐々岡真司前監督(55)が3年連続Bクラスに終わり優勝から4年遠ざかっている。チームの再建をファンの間で待望論のあるフレッシュな新井氏に任せるのか、それとも経験豊かな“V請負人“緒方氏に託すのか。カープの選択に注目が集まる。

フレッシュな起爆剤なら新井氏だが…指導能力は未知数

 佐々岡氏の退任を受けて水面下で次期監督の選任作業を進めてきた広島の候補が2人に絞られた。カープファンに「アライさん」の愛称で親しまれ、バットマンとして通算2000本安打も達成、2018年を限りに引退後、4年間ネット裏で勉強をしてきた新井氏と、2016年から球団史上初のリーグ3連覇を成し遂げた”切り札”緒方氏の2人だ。

 ここまで球団は次期監督候補をOBを軸にあらゆる側面から検討してきた。外部からは、OBで阪神監督も務めた金本知憲氏、元監督の野村謙二郎氏、内部からは、高信二2軍監督、東出輝裕野手総合コーチの昇格案などが検討された模様だが、対照的な2人の名前が残った。

 新井氏は、広島工から駒沢大へ進み1998年にドラフト6位で広島に入団。努力でレギュラーの座を手にした苦労人で、2000年から8年連続2桁アーチを記録し、2005年には43本塁打でタイトルを獲得した。2007年オフにFAで阪神に移籍。涙の会見は、話題となり、2008年には阪神で打点王も獲得したが、2014年限りで阪神を退団、自由契約となり、広島が声をかけて古巣復帰が決定した。

 メジャーで活躍していた黒田博樹氏と共にチームへ戻り、復帰2年目の2016年に25年ぶりの優勝に貢献。史上初めて2000安打、300本塁打、リーグ優勝、リーグMVPを同一シーズンに達成した。当時、39歳だったがチームの明るいムードメーカーで黒田氏らに「いじられる」実直で憎めぬ人柄から若手にも慕われ、そのカープ愛と野球に対する情熱がファンの共感を呼び球団にも高く評価されていた。

 この4年間の評論活動の解説なども評判で、その人間性に加えて、野球理論にも信頼がおけるため次期監督候補として名前が挙がっていた。

 ファンに絶大なる人気があり、フレッシュさも売り。4年連続でBクラスに停滞。その間、新型コロナの感染拡大もあって観客動員への影響を受けた球団にとって人気もムードも一変させる起爆剤としては最適だろう。  ただコーチ経験がなく、監督としての指導力は未知数。ここ2代は、緒方氏、佐々岡氏とコーチ経験者の内部昇格が続いていた。

「まずは次期監督候補として今回は入閣させておくのが先」との意見もある。

 それでも2010年から5年連続で監督を務めた野村謙二郎氏は、正式なコーチ経験がないまま監督に就任。11年連続Bクラスだったチームを2度CSに出場させV3への土台を作った例もあり「経験豊かな参謀をつければカバーできる」という声もある。

 もう一人の候補は、そのV3を成し遂げた緒方氏の4年ぶりの復帰だ。

 

関連記事一覧